PIFと現代自動車がサウジアラビア国内に工場を新設へ

(サウジアラビア、韓国)

リヤド発

2023年10月24日

サウジアラビアの公的投資基金(PIF)と韓国の現代自動車は10月22日、サウジアラビア国内に高度に自動化された自動車製造工場を設立する合弁契約に調印したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。PIFは新会社の70%の株式を保有し、現代自動車は残りの30%を保有する。また、現代自動車は戦略的技術パートナーとして、技術面と商業面の支援を提供し、新工場の開発を支援する。プロジェクトの総投資額は5億ドルを超えると見積もられている。

新プロジェクトは、リヤドで10月22日に開催されたサウジアラビア・韓国ビジネスフォーラムで発表された。内燃機関(ICE)と電気自動車(EV)の両方を含む年間5万台の自動車製造を目指すとする。工場の起工は2024年、生産開始は2026年を予定している。新工場は数千人の雇用を創出し、知識とノウハウの移転が見込まれる。現代自動車の現地化は、サウジアラビアの自動車とモビリティのエコシステムの発展を加速させ、同部門とより広い経済にさらなる投資を呼び込むことが期待される。

このパートナーシップは、サウジアラビアを世界的な自動車プレーヤーとして押し上げ、同部門の変革を推進し、国内外の製造能力、インフラ、サプライチェーンを強化するためのPIFの最新の取り組みだ。同部門への主な投資として、PIFは最近、自動車サプライチェーンと製造能力の現地化を目指す自動車・モビリティ産業への投資会社、Tasaruの立ち上げを発表した。また、PIFとサウジ電力会社は電気自動車インフラ会社を新設し、2030年までにサウジアラビア全土に5,000基以上の電気自動車用急速充電器を設置する計画だ(2023年10月11日記事参照)。

PIFのヤジード・A・アール・フミード副総裁は「PIFにとって、現代自動車との提携は、サウジアラビアの自動車エコシステムの成長を成功裏に実現し、加速させる上で、もう1つの重要なマイルストーンだ。ルシード・モータースとCeerの既存の出資と密接に連携し、サウジアラビアの自動車とモビリティのバリューチェーンの幅を広げるものだ」と述べた。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、韓国)

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