9月の輸出額、前年同月比10.4%増

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年10月17日

バングラデシュ輸出振興庁(EPB)が10月に発表した輸出統計によると、9月単月の輸出額は43億1,033万ドル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、前年同月比10.4%増だった。前月(2023年9月7日記事参照)との比較では、輸出総額、主要品目の衣料品のいずれも減少したものの、ニット類(HSコード第61類、前年同月比25.8%増)が輸出を牽引した。一方で、布帛(ふはく)類(HSコード第62類)は0.7%増の14億3,852万ドルで、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)に入り、前年比の増加幅が減少傾向となっている(添付資料表1参照)。

国別輸出統計は主要品目別統計から遅れて発表されるため、2023/2024年度の同統計は8月まで公開されている。日本向け輸出は前年同期比24.6%増の約3億2,900万ドル(輸出額全体の3.5%)で、主要国別ではイタリア(28.1%増)、スペイン(25.4%増)に次いで高い伸び率となっている。また、同国の最大輸出相手国の米国向けは1.2%減の約16億1,500万ドル(輸出額全体の17.2%)だった(添付資料表2参照)。

欧州向けを主力とし、日本への輸出も手掛ける縫製大手の関係者は輸出の現状について「欧州では衣料品の廃棄や検品に対する規制強化の動きを背景に、調達に当たって品質を重視するバイヤーが増えている。この観点で、例えば、検針も必須の日本向けの製造ラインを有して輸出実績もある当社への引き合いは増え、既にほぼ受注を終えている2023年(暦年)の生産量は、過去最高(前年比約10%増)を記録した。欧州に関しては、布帛類のオーダーは減少傾向だった一方で、ニット類は堅調とみている。また、当社の日本向けは低価格帯が主だったが、従来よりも付加価値・価格の高い製品の受注が増えている」と話している(インタビュー:10月12日)。

日本との間では、2国間の経済連携協定(EPA)に関する第3回共同研究会合が9月21日に開催され、これまでの協議を総括した上で、日バ両政府によって共同研究報告書の作成に向けた調整を着実に進めていくことで一致している(2023年9月28日記事参照)。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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