英国とシンガポール、戦略的パートナーシップを宣言

(シンガポール、英国)

シンガポール発

2023年09月12日

シンガポールのリー・シェンロン首相と英国のリシ・スナク首相が9月9日、インドで開催されたG20サミットの開催地ニューデリーで会談し、英国シンガポール戦略的パートナーシップに関する共同宣言を発表した(シンガポール外務省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英国政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

シンガポールと英国との間では、2019年に「未来のためのパートナーシップ」が立ち上がり、2021年に「未来のためのパートナーシップに関する共同声明」が出された。今回の共同宣言では、両首脳はこれらの前向きな軌跡と機運を基礎としてさらに進めることにコミット。両国の関係を高め、それを戦略的パートナーシップと宣言し、2国間協力について、既存の分野を強化し、新たな分野を立ち上げる。

戦略的パートナーシップは、(1)経済協力、(2)防衛・安全保障・インテリジェンス・外交政策協力、(3)気候・持続可能性・グリーン経済・エネルギー協力、(4)研究・科学・イノベーション・技術協力、(5)公共部門の協力、の5つの柱から成る。

経済協力では、「貿易、投資、および金融の伝統的な分野における協力を強化し、デジタル貿易およびデジタル経済における新たなフロンティアを開拓し、両国経済がより強靭(きょうじん)なものとなることを確保するための措置を共にとる」とした。これらを達成するため、「英国シンガポール自由貿易協定(UKSFTA)、および英国シンガポールデジタル経済協定(UKSDEA)の発効や効果的な実施、ならびに環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への英国の加入による利益および機会の最大化」、さらには「近代的で強固な2国間投資条約(協定)の交渉妥結」などを行う。

気候・持続可能性・グリーン経済・エネルギー協力では、「グリーン経済を促進および発展させる」とし、「英国シンガポールグリーン経済枠組み(UKSGEF)を通じて、グリーンセクターの経済成長を加速し、エネルギー安全保障を強化する」ことなどを挙げた。

研究・科学・イノベーション・技術協力では、「グローバルな課題に取り組み、経済成長を推進するための解決策を開発するために協働する」などとした。これらを達成するために、「科学、イノベーション、技術パートナーシップの新たな立ち上げ」などを列挙した。

両国の外務省が今後、戦略的パートナーシップの実施における進捗状況を定期的にレビューする。

(朝倉啓介)

(シンガポール、英国)

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