熊本発スタートアップを育成、3社が海外展開に挑戦へ

(日本、熊本、米国)

熊本発

2023年09月21日

熊本市とジェトロは、熊本県内企業を対象とした「Pre-Preparation Boot Camp to Global Acceleration Program in KUMAMOTO」を202349月に実施している。同プログラムは、全6社(注1)のスタートアップなどに対し、ジェトロ主催のグローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラム(GSAP)に応募、採択されることを目的とした事前集中講座の位置付け。海外展開を志向するうえでのマインドセット醸成のためのセミナー実施のほか、ピッチ資料および事業計画をブラッシュアップするための個別メンタリングの機会を提供中だ。

参加企業は各社最大6回の個別メンタリングを受け、710日には熊本市のビジネス支援施設XOSS POINT.DemoDay(注2)が行われた。参加企業からは「今回のプログラムを糧(かて)として、海外展開を加速させたい」「個別メンタリングとDemoDayを通して、ピッチ資料だけでなく、頭の中で絡まっていたものも整理された」などのコメントが寄せられ、熊本市起業・新産業支援課の野口信太朗課長からも「プログラム開始前と比較し、各社の飛躍的な成長を感じた」との声が寄せられた。

写真 DemoDay当日の様子(ジェトロ撮影)

DemoDay当日の様子(ジェトロ撮影)

そのような中、9月13日に、ジェトロは日本のスタートアップ向け海外展開支援プログラム「Global Startup Acceleration Program(GSAP)」(注3)の採択企業100社を発表。熊本県内からはAMI、トイメディカル、ハロースペースの3社が採択された。特にAMI、トイメディカルは、前述のPre-Preparation Boot Campで準備した成果が出たかたちとなった。AMIは、心疾患診断アシスト機能付き遠隔医療対応聴診器(注4)を開発する2015年創業のスタートアップ。トイメディカルは、塩分吸収抑制技術を活用した健康食品を開発する2013年創業のスタートアップ。ハロースペースは、自転車や電動スクーターに据え付ける外部充電不要の発電システムを開発する2018年創業のスタートアップ。それぞれ、海外市場に大きな商機があるとして、外国企業との連携や、海外市場の開拓を狙う。

ジェトロは今後も、熊本県内のスタートアップ・エコシステム形成を目指し、熊本県内の関係団体とも協力のうえで、県内スタートアップへの各種サポートプログラムを提供していく予定。

(注1)AMI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますトイメディカル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますサーモンテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますコーンテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますミスターオレンジ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますふく成外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(順不同)の6社。

(注2)各社がプログラムを通じて作成したピッチ資料を披露する、いわば成果発表会。

(注3)GSAPは、米国シリコンバレーなどのトップレベルのアクセラレーターによる、海外展開を目指す国内スタートアップを対象としたプログラム。有力講師陣による講義やメンタリング、米国でのピッチイベントを通し、海外展開に向けた視座とコネクション獲得を目指す。

(注4)AMIが開発した聴診器。心電・心音の同時計測と独自アルゴリズムおよびデータ処理により、周囲の環境に左右されず精緻に素早く医師の診断をアシストする情報を提供。

(平松耕介)

(日本、熊本、米国)

ビジネス短信 dd3c5978a38ca3e6