ベルリンで兵庫県と神戸市がフードテック分野での協業をPR

(ドイツ、兵庫、神戸)

ベルリン発

2023年09月27日

ドイツ・ベルリンで9月11日、ジェトロ、兵庫県、神戸市の共催により「Japan Berlin Impact Night Vol. 2」が開催された。本イベントは、欧州を中心としたフードテックやクライメートテックのスタートアップを、兵庫県と神戸市に誘致するための各種プログラムをPRする目的で開催された。

冒頭では、ベルリン州政府のイェンス・ホーマン経済・エネルギー・公共企業局長が「ベルリン市はアジアとのビジネスを重視し、アジア・ベルリン・サミット(2023年7月6日記事参照)を毎年開催している。アジアの中でも日本は重要国」と強調した。次いで、ジェトロ・ベルリン事務所の岡本繁樹所長は「日本はスタートアップ育成5カ年計画で1兆円の予算をつけている。ベルリンと兵庫県、神戸市がスタートアップのハブになれば」と期待を込めた。

神戸市の西川嘉紀イノベーション専門官は、神戸市が注力する産業の1つである「食」の分野で、日本企業は「食」の持続可能性を追求する新しい食材などに興味があり、アイディアを有しビジネスを展開する海外スタートアップとの協業を求めていると指摘。2023年2月に神戸市が実施したフードテック・スタートアップ向けプログラム「THE NEXT KITCHEN外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、デモデー登壇、日本企業とのマッチング、兵庫県内の麹(こうじ)や味噌(みそ)など醗酵食品の試食や工房訪問が参加者の好評を得たと紹介し、次回(2024年2月開催)のプログラムへの参加を呼びかけた。

最後に、本イベントのオーガナイザーであるクロスビーの山本知佳・最高経営責任者(CEO)をモデレーターとして、フードテック・スタートアップの海外進出に関するパネルディスカッションが行われた。ベルリンのフードテック専門インキュベーターで「THE NEXT KITCHEN」に運営協力するプロベジ・インキュベーターのアルブレヒト・ボルフマイヤー氏と、ベルリン発のスタートアップで海藻を使用したツナ代替食を開発・販売するベッタフィッシュのサラ・デコイネ氏が登壇。プロベジによる日本のスタートアップを含むフードテック企業への投資経験や、ベッタフィッシュの欧州での拡販やJALの機内食に採用された実績などが話題となり、活発なディスカッションになった。

写真 ジェトロ・ベルリン岡本所長による基調講演(クロスビー提供、©Helena Majewska)

ジェトロ・ベルリン岡本所長による基調講演(クロスビー提供、©Helena Majewska)

写真 神戸市の西川氏によるプレゼンテーションの様子(クロスビー提供、©Helena Majewska)

神戸市の西川氏によるプレゼンテーションの様子(クロスビー提供、©Helena Majewska)

写真 代替ツナの寿司や植物性バターを使った菓子などの試食の様子(クロスビー提供、©Helena Majewska)

代替ツナの寿司や植物性バターを使った菓子などの試食の様子(クロスビー提供、©Helena Majewska)

パネルディスカッション後のネットワーキングでは、ベッタフィッシュの代替ツナ寿司(ずし)をはじめとする代替食品が提供され、新食材を試食しながら交流が行われた。

(小川いづみ、中村容子)

(ドイツ、兵庫、神戸)

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