全米自動車労働組合(UAW)、デトロイト3との新たな交渉期限を9月22日正午に設定

(米国)

シカゴ発

2023年09月20日

全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン会長は9月18日、デトロイト3との交渉(注)が進展しない場合、9月22日(金曜日)の正午からストライキを拡大すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。次のターゲットとなる工場は発表されていない。

ストライキの開始から4日目の9月18日には、ゼネラルモーターズ(GM)がこのストライキの影響でカンザスシティのフェアファックス組立工場を休止し、2,000人の従業員を休業させる可能性があるとし、19日には、同工場での生産を少なくともあと1日は継続する見込みだと発表した。また、フォードは18日に、ミシガン州の組立工場の車両製造部門で約600人に対して出勤しないよう要請した。

ジョー・バイデン米国大統領は9月15日、ホワイトハウス発表の声明の中で、「(デトロイト3の)過去最高の企業利益は、過去最高の契約でUAWと分け合うべきだ」とUAWを支持する姿勢を見せつつも、「両当事者が交渉のテーブルに戻り、双方にとってメリットのある協約を結ぶことを望む」としている。同大統領は、ジュリー・スー労働長官代行とジーン・スパーリング・ホワイトハウス上級顧問の2人をデトロイトに派遣し、協約締結に向けて両当事者を全面的に支援すると述べた。

また、2024年の大統領選挙の共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領は、来週の共和党大統領予備選挙の第2回討論会を欠席する代わりにデトロイトに行き、9月27日にストライキ中の労働者を前に演説する予定としている。

(注)UAWの要求は、新たに雇用された労働者の賃金を低く設定する、従業員を二分する給与体系の廃止、賃金をインフレ率と連動させる生計費調整(Cost of Living Adjustment, COLA)の導入、4年間で36%の昇給、週32時間労働、電気自動車(EV)への移行に伴う雇用の確保など(2023年7月18日記事参照)。

(星野香織)

(米国)

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