米サンフランシスコ市、中心部の空き店舗利用のポップアップショップへの第1弾となる出店者発表

(米国)

サンフランシスコ発

2023年09月05日

米国サンフランシスコ(SF)市のロンドン・ブリード市長と、同市の経済労働力開発局(OEWD)のサラ・デニスフィリップス事務局長、非営利法人SFニューディールは8月24日、市内中心部の空き店舗をポップアップストア(注)として活用する「Vacant to Vibrant」への第1弾となる出店者を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

このプログラムは、ブリード市長が2023年2月に発表した「SF中心部の未来のロードマップ」の一環で、中小企業や起業家、アーティスト、文化団体が市内の空き店舗を利用することを支援するもの。第1弾では2023年9月後半から3カ月間、ダウンタウンの金融街周辺にある9つの空き店舗にベーカリーやアパレル、レストラン、アートショップ、ラジオ局など17のポップアップが出店することが発表された。また、2023年4月に開始した今回の募集に対しては、約850件の出店希望者と80以上の物件オーナーからの申し込みがあったという。

プログラムはSFニューディールが運営し、OEWDから得た助成金71万ドルを活用するほか、SFに本社を置く大手銀行ウェルズ・ファーゴからも資金援助を受ける。ポップアップの出店者は物件の賃料支払いが免除されるほか、最大8,000ドルの助成金を得ることができる。物件オーナーに対しても、光熱費や物件の改修費として最大5,000ドルが助成される。

SF市内中心部では、テレワークとオフィスへの出勤を必要に応じて行う柔軟な働き方が定着したため、人流回復が鈍い。また、治安への不安などから、大型小売店舗なども市内中心部の店舗を閉鎖していた(2023年5月9日記事5月18日記事参照)。

SF市はポップアッププログラムを2024年以降も継続する予定で、ポップアップの出店希望者と物件オーナー双方の応募を受け付けている。これらの取り組みが市内の活性化に寄与することが期待される。

(注)期間限定で出店する形態の店舗。

(芦崎暢)

(米国)

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