ニューヨークで訪日観光イベントを開催、日本食の魅力を発信

(米国、日本)

ニューヨーク発

2023年09月25日

米国ニューヨーク市で9月20日、第78回国連総会の開催に合わせて、訪日観光拡大や日本食消費拡大を目的としたレセプションが開催された。日本の観光庁が主催し、農林水産省やJFOODO(日本食品海外プロモションセンター)などが協力した。レセプションでは、訪日観光PRに加え、日本食・食文化の魅力を発信するため、日本産食材を使用した料理の提供を行うとともに、米国での日本産食品の消費拡大につなげるためブース展示などによるPRが実施された。

レセプションには、米国の政財界要人、観光関連事業者、食品関連事業者、メディアなどを中心に約200人が詰めかけた。日本政府からは、斉藤鉄夫国土交通相、鈴木憲和農林水産副大臣らが出席し、訪日観光および水産物をはじめとする日本産食品の魅力を訴えた。ホタテおよびブリ・タイの輸出促進団体がブースを設置して各品目のPRを行ったほか、岸田文雄首相による日本産水産物の安全性をアピールするビデオメッセージが放映された。

写真 鈴木農林水産副大臣によるあいさつ(ジェトロ撮影)

鈴木農林水産副大臣によるあいさつ(ジェトロ撮影)

写真 ブースで来場者に説明をする輸出促進団体のメンバー(ジェトロ撮影)

ブースで来場者に説明をする輸出促進団体のメンバー(ジェトロ撮影)

レセプションでは、日本産食品の輸出拡大に向けて、米国で活躍する著名な日本人シェフによる監修の下、ブリやホタテ、和牛など日本産食材を使用し、日本の伝統を意識しつつも米国で受け入れられるような創作的な要素を加えた料理が提供された。

写真 提供された料理を手に取る参加者(ジェトロ撮影)

提供された料理を手に取る参加者(ジェトロ撮影)

さらに、今後米国での消費を拡大するため、ジェトロ、JFOODO、在ニューヨーク日本総領事館などで構成する「米国輸出支援プラットフォーム」(2022年4月28日記事参照)による日本食レストランや日本食材店の紹介、日本産食品などのPR映像の放映、ECサイトの紹介が行われた。

写真 米国輸出支援プラットフォームのブース(ジェトロ撮影)

米国輸出支援プラットフォームのブース(ジェトロ撮影)

日本産食品の輸出先として第3位(2022年、金額ベース)の米国は、東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を受けた、一部の国・地域による輸入停止の影響が懸念される水産物などの代替市場として有望だ。ALPS処理水の海洋放出の影響(注)について、ニューヨーク市内の日本食レストランや、日本産食品を取り扱う卸売事業者にジェトロが尋ねたところ、一部の米国の消費者や事業者から日本産水産物などの安全性に関する問い合わせはあっても限定的で、今のところ処理水放出を受けたビジネスへの大きな影響は見られないとしている。また、処理水の海洋放出自体を知らない人も多いという。水産物を含む日本産食品の米国における需要拡大が期待される。

(注)ジェトロは、ALPS処理水の処分に伴う輸出などの対策に関する特別相談窓口を本部および全都道府県のジェトロ事務所に設置するとともに、上記WEBページを通じて関連情報の提供を行っている。

(北出輝雄)

(米国、日本)

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