インド標準規格(BIS)強制認証の対象品目が増加傾向

(インド)

ニューデリー発

2023年09月27日

インド標準規格(Bureau of Indian Standards: BIS)の強制認証対象品目が増加している。強制認証対象品目とは、国産品、輸入品を問わず、当該品がインド国内で使用される場合、BIS認証やIS(インド規格)マークの表示を義務付けるもので、対象品目はBISが「品質管理通達(Quality Control Order: QCO)」として都度発表する。強制認証対象品目はBISウェブサイトで、BIS認証が既に義務付けられている品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますBIS認証が今後義務付けられる予定の品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの各リストを確認できる。BISが発行するQCO要綱PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、QCO発効後は、当該品目のBIS認証なしでの「製造」「輸入」「流通」「販売」「借り入れ」「貸し出し」「在庫」「販売を目的とした出展」がいずれも禁止となる。

近年、BIS認証が今後義務付けられる予定の品目が増加傾向にあり、9月26日現在、同リストには156品目が掲載されている。代表的な品目としては、「ネジ、ボルト類」(2023年7月21日付通達、2024年1月21日施行予定)、「鉄鋳物」(2023年8月24日付通達、2024年2月24日施行予定)などが含まれる。各企業は、国内調達か輸入かを問わず、自社が使用している原材料や部品が対象品目に該当するか否かの確認が必要となる。強制認証対象品目に該当する場合、当該原材料製造業者は対象品目を製造する拠点ごとにBIS検査官による工場監査を受査し、BIS認証を受ける必要がある。認証手続きの詳細外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはBISウェブサイトに掲載されている。

特に注意すべき点として、(1)認証の所要期間は通常6カ月以上、(2)BIS検査官による工場監査、(3)輸入製品の場合、BISとの連絡業務のためのインドでの正式代表者(Authorized Indian Representative:AIR)指名が必要な点などが挙げられる。認証手続きに関する代表的な質問事例については、強制認証スキーム全般外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます外国企業の認証外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのFAQに整理されている。通常、QCO発行日から施行期日までは3カ月または6カ月の猶予が付与されているが、当該製造業者への周知徹底や認証取得に必要な期間などを考慮すると、製造拠点がインド国外にある場合は特に注意が必要だ。QCO要綱によると、QCOの内容に関し、「施行期日延期」「例外・除外」「施行日時点での在庫品取り扱い」などの疑義がある場合には、QCO発行当該官庁への相談が勧められており、同強制認証対象品目を使用あるいは製造する企業は迅速な対応が求められる。

(波多野知行)

(インド)

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