市場監督管理総局、22項目の措置で民間経済発展を支援
(中国)
北京発
2023年09月29日
中国の国家市場監督管理総局は9月22日、「市場監督管理部門による民間経済の発展を促進する若干の措置」(国市監信発[2023]77号)を発表した。これは7月14日に中国共産党中央委員会と国務院が発表した「民間経済の発展と成長の促進に関する意見」
の実施に係る措置だ(2023年7月26日記事参照)。
具体的には、民間経済に関する(1)発展環境の最適化、(2)政策支援の強化、(3)法的保障の強化、(4)質の高い発展の実現、(5)社会的雰囲気の醸成などについて、計22項目を挙げている。詳細は次のとおり。
(1)「市場参入ネガティブリスト」(2022年4月7日記事参照)を改定し、リストにない業界、分野、業務を平等に展開できるようにするなど、参入障壁を是正する。公正な競争政策制度を全面的に実施し、行政権限の乱用によって競争を排除・制限する行為を阻止し、社会的信用による奨励(インセンティブ)・制約メカニズム、信用失墜行為が是正された後の信用修復の仕組みを整備する。
(2)信用情報の収集・共有と零細・中小企業や個人事業主の信用格付け・評価制度を改善し、大企業による中小企業への支払い滞納の解消、民間企業への人材移動を促す。
(3)知的財産権保護制度と監督・法執行体系をより完全にし、選択的法執行を根絶し、企業に係る費用徴収を監督管理する長期的仕組みを整備する。
(4)民間企業がガバナンス構造と管理制度をより完全にするよう促し、条件を備えた企業が中国の特色ある近代的企業制度を導入・整備することを奨励する。民間企業による国家標準の制定・改定への参加などを支援する。民間資本の法に基づく健全な発展を規範化し、誘導する。
(5)民間経済の発展に関する政策の解説、民間企業の発展の経験などの宣伝・報道により注力し、民営経済の発展・強大化を促進する社会の雰囲気を醸成する。
今回の22項目の措置に関して、北京社会科学院の王鵬副研究員は「この措置は市場参入、公平な競争、独占禁止のみならず、企業ガバナンス、信用関連の政府サービスまで幅広い分野に及んでおり、民間企業が日常的に懸念している課題に対応したもの」とコメントし、「特に中小・零細企業の負担を効果的に軽減することで、より多くの民間企業が品質を向上させ、コストを削減し、効率を高めることができ、競争力、ガバナンス、収益性の向上により、さらなる役割を果たすことができる」とした(「証券日報」9月23日)。
(趙薇)
(中国)
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