中国、年1回賞与の個人所得税政策の延長を発表

(中国)

北京発

2023年09月08日

中国の国家財政部と国家税務総局は2023年8月28日、「居住者の年1回賞与の個人所得税政策の延長実施に関する公告」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(財政部・税務総局公告2023年第30号)を発表した。

中国では、賞与に係る個人所得税の計算方法について、2005年1月21日に「個人が取得する年1回賞与等の個人所得税の算定・課税方法に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(国税発「2005」9号)が公布され、2005年1月1日から年1回賞与(注1)の納税方法が適用された。「個人所得税法改正後の優遇政策継続に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」〔財税(2018)164号〕では、同計算方法を2021年12月31日まで有効としていたが、「年1回賞与等の個人所得税の優遇政策の延長実施に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(財政部・税務総局公告2021年第42号)で、2023年12月31日まで延長となった。さらに、今回の発表で再延長となり、2027年12月31日まで適用可能になった。

中国の居住者(注2)の条件を満たせば、賞与に係る所得税について次の方法で計算することができる。

年1回賞与額に限り、12カ月で割った金額に基づき、適用税率および速算控除額(添付資料表参照)を確定し、納税額を次の計算式で求める。

納税額=賞与額(年1回)×適用税率-速算控除額

例えば、年1回賞与額が6万元(約120万円、1元=約20円)の場合、月額換算額は60,000÷12=5,000元になり、上記表の級数2の課税所得額が3,001~1万2,000元の範囲内となる。そのため、適用税率は10%、速算控除額は210元で、年1回賞与に対する納税額は60,000×10%-210=5,790元となる。

なお、同公告にあわせ、外国籍個人の補助・手当の個人所得税優遇政策も2023年8月29日に発表され、2027年12月31日まで延長された(2023年8月30日記事参照)

(注1)中国における年1回賞与とは、行政機関や企業など源泉徴収義務者が従業員に支給する1回性の賞与のこと。中国の所得税法上、年1回賞与以外の名目の賞与(半年賞与、四半期賞与、残業奨励金など)は当該月の給与に加算され、給与の一部として課税されるが、賞与が1納税年度に1回だけである場合、賞与の特別計算(年1回賞与の個人所得税政策)が認められている。

(注2)居住者とは、中国国内に住所を有するか、または住所を有していないが1納税年度に中国国内で累計183日居住している個人。

(鄭慧)

(中国)

ビジネス短信 a149579f5824bda5