ファーウェイ、新たなスマホを発売、衛星通信を利用した通話が可能に
(中国)
広州発
2023年09月04日
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は8月29日、新たなスマートフォン「HUAWEI Mate 60 Pro(以下、Mate 60 pro)」を発売した。同社の発表によると、新製品は衛星電話に対応する世界初の大量生産スマートフォンで、地上ネットワークの信号が届かない場所でも衛星通信を利用した通話が可能となる。
ファーウェイは同社ウェブサイト上で、Mate 60 proに搭載する衛星通信技術、「独自のOSである鴻蒙(Harmony)4.0」および「バッテリー容量(5,000ミリ・アンペア・アワー(mAh)」などの関連技術を公開したが、プロセッサー情報は公開していない。
ファーウェイは2019年5月に、米国商務省産業安全保障局(BIS)が管理するエンティティー・リスト(EL)に記載され、同社への米国製品(物品、ソフトウエア、技術)の輸出・再輸出などは原則不許可となっている(2019年5月16日記事参照)。ファーウェイが2021年4月に発表したプレスリリースによると、米国による制裁を受けて同社は2020年11月に傘下のスマートフォンブランドHonorを売却し、スマートフォンの出荷量が減少した。また、米国の市場調査会社カナリスによると、2019年第1四半期(1~3月)のファーウェイのスマートフォン出荷台数は世界シェア18.8%とサムスンに次いで世界2位だったが、2021年第1四半期には7位に落ちた。
また、米国の市場調査会社IDCの2023年7月27日の発表によると、ファーウェイは新機種「P60」「Mate X3」の発売により、2023年第2四半期(4~6月)の同社スマートフォン出荷台数は、前年同期比76.1%増、中国国内シェアは13.0%となり 、小米科技(シャオミ)と共に全国5位になった。
(梁梓園)
(中国)
ビジネス短信 9f830cabf3f56744