2023年度第1四半期のGDP成長率、前年度同期比7.8%

(インド)

ニューデリー発

2023年09月06日

インド統計・計画実施省(MOSPI)は831日、2023年度第1四半期(4~6月)の実質GDP成長率(2011年度基準)推計値を前年度同期比7.8外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した(添付資料表1参照)。2020年度第3四半期(1012月)以降、11四半期連続のプラス成長を記録している。

需要項目別に見ると、GDPのうち約6割を占める民間最終消費支出が前年度同期比6.0%増、次に大きな割合を占める総固定資本形成が8.0%増と、全体のプラス成長を大きく牽引した。他方、輸出から輸入を差し引いた純輸出のマイナス幅は25,8496,000万ルピー(約45,7538,000万円、1ルピー=約1.77円)と、前年度同期の8,646億ルピーに比べて大幅な増加となり、成長率を押し下げる要因となった(添付資料表2参照)。

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率では、前期〔2022年度第4四半期(13月)〕に続いて、全ての部門でプラス成長を果たした(添付資料表3参照)。特に「金融・保険、不動産・ビジネスサービス」が前年度同期比12.2%増、「貿易・ホテル・運送・通信・報道関連サービス」が9.2%増と、GVAで高い割合を占めるサービス部門が全体の成長を牽引した(添付資料表4参照)。

なお、インド準備銀行(RBI、中央銀行)は810日時点で、2023年度(20234月~20243月)の実質成長率見通しについて、農村部の所得回復による消費拡大や、サプライチェーン正常化による投資活動の拡大など、明るい兆しがあるとしながらも、世界需要の低迷や金融市場の変動リスクといった懸念も踏まえ、6.5%にとどまると予測している(2023年8月14日記事参照)。

(高際晃平)

(インド)

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