インドネシアから再エネ電力、2027年に輸入開始へ

(シンガポール)

シンガポール発

2023年09月12日

シンガポール・エネルギー市場監督庁(EMA)は9月8日、インドネシアから合計2ギガワット(GW)の低炭素の電力輸入に関する5つのプロジェクトを仮認可したと発表した。同プロジェクトはインドネシアにおいて、太陽光発電〔PV、11ギガワット時(GWh))とバッテリー・エネルギー貯蔵システム(BESS、約21GWh、太陽光電力の安定供給を可能にするシステム)を段階的に開発するもので、2027年末からの商業運転の開始を目指す。

EMAが仮認可したプロジェクトを実行するのは、それぞれ(1)インドネシアの石油大手メドコ・グループの発電会社メドコ・パワーとインドネシアのサリム・グループ傘下のギャラント・ベンチャー、シンガポールの発電・電力販売会社パシフィックライト・リニューアブルスの3社による共同企業体「パシフィック・メドコ・ソーラー」(シンガポールの電力輸入容量:0.6GW)、(2)石炭・鉱物供給会社アダロ・インターナショナル・シンガポールが設立した太陽光発電会社「アダロ・ソーラー・インターナショナル」(同0.4GW)、(3)シンガポールの太陽光発電会社EDPリニューアブルズ・アジアパシフィック(同0.4GW)、(4)シンガポールの太陽光発電会社グーリン・エナジーと、シンガポールの再生エネルギー会社ゲンタリ・インターナショナル・リニューアブルが設立した「バンダRE」(Vanda RE、同0.3GW)、(5)シンガポールの複合企業ケッペル・コープ傘下のケッペル・エナジー(同0.3GW)の5つの事業体。同庁によると、これらの事業体は今後、シンガポールとインドネシアを結ぶ海底送電ケーブルの設置に向けた海洋調査を行う予定。

2035年までの4GWの電力輸入目標達成に向け、3GW確保

EMAは2035年までに、合計4GWの低炭素の電力輸入を目標としている(2022年7月4日記事参照)。同庁は2023年3月16日、ケッペル・エナジーによるカンボジアからの1GWの電力輸入プロジェクトを仮認可すると発表していた。今回の5プロジェクトの仮認可分2GWを加えると、EMAが仮認可した電力輸入量は合計3GWとなる。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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