ADB、農村部の水資源管理と農業生産性向上のため融資を承認
(バングラデシュ)
調査部アジア大洋州課
2023年09月28日
アジア開発銀行(ADB)は9月20日、バングラデシュ農村部の水資源管理と農業生産性の向上支援を目的に、1億600万ドルの融資を承認した。
同プロジェクトは、ADBが同国で過去に実施した3件の小規模水資源管理プロジェクトの成功に基づき、洪水・干ばつリスク管理、排水改善、灌漑システム近代化のための水資源インフラおよびサービスを通じて、自然災害からの復興支援と食料安全保障を強化し、投資を拡大するもの。農村部貧困層の77%が居住する42地区(22万ヘクタール以上)が対象とされる。
地方政府技術局は150の新しい水管理協同組合の設立と230の既存の協同組合の強化や、バクハリ・ラバーダム計画の緊急再構築と近代化の支援、110キロにわたる全天候型の農道・村道の建設などを推進する。効果的かつ参加型の持続可能な水資源管理を通じて、バングラデシュの農業生産性と収益性を大幅に向上させるという。
ADBシニア水資源スペシャリストのオリビエ・ドリュー氏は、水不足と気候の影響の悪化によって生活が脅かされている38万世帯、特に女性や社会的弱者の生計を支えるべく、気候変動に配慮した農業ビジネスや漁業の開発・販売も促進していくと話す。
国民の過半数が農村部に住むバングラデシュでは、農業は主な雇用源となっている。
(寺島かほる)
(バングラデシュ)
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