農水産品371品目の輸出税を引き下げ、落花生やワインも対象に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年09月19日

アルゼンチン政府は97日、政令462/2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、農産品など371品目の輸出税率を引き下げ、91日から有効とした。対象品目と各税率は同政令の付属書(Anexo)に規定されている。

同政令は、今回の変更を「雇用創出を促しながら国内生産の拡大、国産品の付加価値の向上、そして輸出の増加を目指すのが目的」としている。

今回、輸出税率が引き下げられたのは、地方経済の要である農水産品で、カラシン科の一種でサバロと呼ばれる魚(冷蔵、冷凍、フィレを含む燻製・乾燥したもの)がこれまでの7.0%から無税に、落花生および同関連品がこれまでの4.5%~7.0%から4.0%~0%に、ワイン、スパークリングワイン、その他ぶどう搾汁が4.5%から0%に、柑橘(かんきつ)類のドライピールが12.0%から0%に、食用エッセンシャルオイルが3.0%から0%に引き下げられた。アルゼンチン北東部で生産されるコメ類などは、これまでの3.0%~6.0%から品目によって4.0%、3.0%、2.0%、0%まで引き下げられた。そのほかにも、木材、タバコ、ジャガイモなどの輸出税も引き下げまたは無税となった。

97日付現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)によると、関連する産業団体は政府の決定を歓迎したが、為替レート問題(公定レートと非公式の闇レートの乖離幅)の課題が残っている、と指摘している。アルゼンチン落花生会議所は「国内で生産されている落花生の92%は輸出向けで、アルゼンチンは世界最大の落花生輸出国だ」とし、「地方経済にとって重要な全ての産業から輸出税を撤廃してほしい。また、政権が交代しても今回の措置は継続してほしい」と訴えた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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