米ハワイ州知事、マウイ島への観光客受け入れ再開を宣言
(米国)
ロサンゼルス発
2023年09月19日
米国ハワイ州のジョシュ・グリーン知事は9月8日、同州マウイ島で8月8日に発生した山火事により被害を受けた、同島西部への不要不急の旅行を控える指針について、ラハイナを除いて10月8日に終了する緊急宣言に署名した。同島では山火事発生後の8月9日から、不要不急の旅行を控えるよう呼び掛ける緊急宣言が発せられていた。今回の発表により、同島への観光が再開となる。
ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)の9月6日の報告によると、山火事による死者は115人、2,000戸以上の家屋が焼失した。特に被害が甚大だったラハイナ近郊では、山火事発生前には800以上の事業所があり、約7,000人の雇用があったとしていて、これら事業所の1日当たりの収益は270万ドルと推定されている。同島の主要空港であるカフルイ空港の利用者数は1日当たり7,000人から2,000人へと70%以上減少しており、同島全体で事業所の閉鎖と観光客の減少による経済損失は1日当たり1,100万ドルと推定されている。
ハワイ観光局、マウイ島観光復興キャンペーンに260万ドルの提供を承認
ハワイ観光局(HTA)理事会は8月31日、マウイ島観光復興キャンペーンのための資金として260万ドルの提供を承認した。同島で観光が再開された地域に旅行者を引きつけることを目的とし、観光支援ウェブサイト「GoHawaii」やX(旧ツイッター)、インスタグラムなどのソーシャルメディアを通じて、同島の復興状況や渡航にあたっての正しい情報発信をしている。また、ハワイ州経済に観光産業は欠かせない一方で、同キャンペーンを通じて、旅行者にも山火事の被害にあった地域への敬意を払うことも伝えていくという。同キャンペーンには、ハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション・ビューローや地元商工会など12組織がパートナーとして名を連ねるほか、ゴルフのPGAツアーをマウイ島で開催することや、ロサンゼルスのバスケットボールチーム「クリッパーズ」のトレーニングやゲームを同島で行うことなどを通じて、同島での観光復興を図る。同キャンペーンは10月31日まで行われる。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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