バイデン米政権高官、難民問題でニューヨーク州から要請受け、ホークル知事と会談

(米国)

ニューヨーク発

2023年09月04日

米国のバイデン政権は8月30日、移民や難民申請希望者を受け入れている全米のコミュニティーを支援する連邦政府の取り組みと、人道的で安全、秩序ある移民制度を構築するための継続的な取り組みを話し合うため、連邦政府の高官がニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事と会談し、多くの点で合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。8月24日にホークル知事が連邦政府に対し、財政支援と労働許可申請を急ぐ措置を取るよう正式要請したことを受けての対応とみられる(2023年9月1日記事参照)。

発表では、労働許可について、米国土安全保障省の評価チームが現地に派遣された結果、NY市に到着した難民の相当数は労働許可を取得できる資格があるにもかかわらず、許可申請していないことを示すデータに注目したとしている。このデータによると、米国に入国した労働資格のある年齢に達している難民のうち、実際に労働許可を申請した人の割合は16%前後だった。また、2023年に入って、目的地をNY、ニュージャージー、ペンシルベニアいずれかの州にしていた非市民(難民に限らず米国籍を持たない者)のうち、臨時入国許可が与えられ、労働許可申請をすればすぐに働くことができる状況にある人は20%だとしている。これを踏まえ、連邦政府は9月の1カ月を通じ、有資格者の労働許可申請を支援するために、申請方法などを情報提供する初のプログラムを開始するとした。

発表ではまた、連邦政府の高官とホークル知事は、保健福祉省、教育省、住宅都市開発省、内務省を含む連邦の各省庁が最近到着した難民の健康、教育、住宅に関し、NY州を支援していく追加措置について協議したとしている。

連邦政府は議会に対し、保護施設と支援サービスのプログラムのため、6億ドルの追加予算を求めているとした。NY市のエリック・アダムス市長は8月9日に、市は既に難民の保護施設や食料、その他のサービスに14億5,000万ドルを費やしており、2023~2025会計年度で120億ドル以上を負担する可能性があると発表していた(2023年8月16日記事参照)。

(吉田奈津絵)

(米国)

ビジネス短信 1d7f93b46c5398d0