ジェトロ、ホーチミンで医療・グリーン・農業などの地場スタートアップピッチイベントを開催

ジェトロは9月19日、ベトナムのホーチミンで、地場のスタートアップ（SU）への投資や、SUとの協業を目的としたイベント「スタートアップス・コネクティング・ハブ-ピッチ＆ミート・イン・ホーチミン2023（STARTUPS Connecting Hub - Pitch & Meet in Ho Chi Minh 2023）」を開催した。ジェトロによるベトナムSUの投資環境の紹介や、ジェトロが選定したベトナム南部のSU8社によるピッチセッション、日系企業とのビジネスマッチングを実施した。ベトナムのSUとの協業や投資に関心のある日系企業関係者がオンラインを含めて60人ほど参加し、ベトナムのSU情報の把握やネットワーク構築を図った。

ジェトロがホーチミンでオフラインの地場SUのピッチイベントを開催するのは2022年度（2022年12月8日記事参照）に続き2回目。今回は、前年度のイベントで面談要望の多かった「教育」「医療」「金融」「農業」「グリーンテック」の分野に着目。ジェトロがベトナムで発掘したSU約250社（注）のうち、過去にセミナーなどで紹介していない企業を選定し、ピッチを実施した。イベント参加者らは「登壇したスタートアップのラインアップが素晴らしかった」「登壇企業以外にもたくさんのベトナム企業が参加しており、ベトナムスタートアップと日本をつなぐハブになっていたのが印象的だった」などのコメントがあった。

ピッチを実施した8社は次のとおり。

• Akather：医療/教育（AR/VR活用）。AR/VRベースのシミュレーション空間で医療分野などの教育・学習・実習が可能な体験型教育プラットフォームを提供。
• GoTRUST​：医療（遠隔医療）。患者と病院、診療所、医師、看護師などのヘルスケアプロバイダーをつなぎ、24時間365日どこでもサービスを提供できる総合遠隔医療プラットフォームを提供
• Rootopia：金融（P2Pレンディング）。​ 学費の支援が必要な学生と投資するスポンサー（エンジェル投資家）をつなぎ、学生が学業に集中できるように、学費の問題などの支援を目的としたフィンテック仲介プラットフォームを提供。
• Easygop：金融（P2Pレンディング）。金融機関や保険のサービスを受けることができない個人顧客に対して、分割払いを支援するサービスを提供。
• Alterno：グリーン（砂蓄電）​。砂の力を利用して熱を回収、貯蔵、分配するエネルギー貯蔵ソリューションを提供。
• Stride​：グリーン（エネルギー管理）。太陽光発電の設置工事費用を支払う消費者を支援するB2B2Cプラットフォームを提供。
• FoodMap​：農業（サプライチェーン）​。ベトナムの中小規模の農家・生産者とエンドユーザー（消費者・小売業者など）をつなぐECプラットフォームを提供。
• TepBac：アクアテック（生産支援）​。水産養殖における水環境の自動監視IoTデバイスや、養殖飼料の量やトレーサビリティの管理が可能な養殖場管理アプリを提供。

9月12日にはハノイでも同様のピッチイベント「STARTUPS Connecting Hub - Pitch & Meet in Hanoi 2023」を開催し、次の7社のSUがピッチを実施した。

• Finhay：フィンテック（マイクロ投資プラットフォーム）
• OnePay：フィンテック（電子決済）
• OKXE：Eコマースプラットフォーム（二輪車）
• VUIHOC：小中高生を対象とした教育プログラム
• GITIHO：社会人を対象とした教育プログラム
• VinBrain：AI＆Data（ヘルスケア）
• CyRadar：サイバーセキュリティー

（注）ジェトロは、日本とASEANなど企業によるデジタル技術を活用した連携を推進することを目的とした「J-Bridge」事業の一環で、ベトナムでは2021年から、ベトナムSUの発掘・紹介、日本企業とのマッチング支援の活動を実施している。今回のホーチミン・ハノイ両事務所のイベント登壇企業や、発掘SUとの面談を希望する方はジェトロ両事務所まで連絡を。

（三木貴博）