北京現代、重慶工場を売却へ

(中国、韓国)

成都発

2023年09月01日

中国の北京産権交易所が8月11日に公開した文書によると、韓国最大手自動車メーカーの現代自動車と中国国有自動車大手の北京汽車集団の合弁会社、北京現代は、重慶市にある自動車工場を約36億8,400万元(約737億円、1元=約20円)で売却を開始した。

重慶工場は現代自動車の中国で5番目の生産工場として2017年に生産を開始した。同工場の生産能力は年間30万台、敷地面積は203万平方メートル、投資総額は約10億ドル。同工場の稼働開始によって、北京現代の中国での年間生産能力は165万台となったという。

北京現代の呉周涛副総経理は「2017年から北京現代の販売台数は減少している。販売数拡大を過度に追い求める一方、生産車種の競争力向上を重視せず、ブランド力向上に努めなかった結果、市場の変化に対応できなかった」と述べた(「広州日報」、2023年8月22日)。また、現代自動車の張在勳(チャン・ジェフン)最高経営責任者(CEO)は中国事業について「近年、中国事業は国内外のさまざまな要因により、困難が生じている。ブランド力を向上するため、高性能な車種に力を入れる」と述べている(「第一財経」2023年6月21日)。

現代自動車は2002年に中国進出し、北京市、河北省、重慶市に完成車工場を設けていたが、北京市順義区にある第1工場を中国新興の電気自動車(EV)メーカー、理想汽車に売却した。また、第一財経の報道によると、2022年2月末時点で重慶工場は既に稼働停止となっていた(「第一財経」2022年5月26日)。

(王植一)

(中国、韓国)

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