米スタートアップ大型展示会「ディスラプト」開催、日本から10社がジャパンパビリオンに出展
(米国、日本)
サンフランシスコ発
2023年09月28日
米国テックメディア「テック・クランチ」は9月19~21日、スタートアップ大型展示会「ディスラプト」をサンフランシスコ市で2022年に引き続き対面で開催した。参加登録者数は主催者発表で、2022年の1万人を上回り、1万2,000人となった。
ディスラプトは起業家や投資家、技術者などが集い、「スタートアップの登竜門」とも評される注目度の高いイベントだ。会場ではスタートアップによるブース出展に加え、人工知能(AI)やフィンテック、ヘルステック、ハードウエア、サイバーセキュリティー、プライバシーをテーマに、個別のラウンドテーブル(注1)やパネルディスカッションが行われた。各分野のオピニオンリーダーや専門家が意見を交わし、参加者は情報収集やネットワーキングを行った。また、日本や韓国、モルドバ、ポーランド、ウクライナ、アゼルバイジャンなどが各国のパビリオンを設置し、それぞれにぎわいをみせた。
ジェトロは前年(2022年10月26日記事参照)に引き続き、日系スタートアップの出展を支援するジャパンパビリオンを設置し、日系スタートアップ10社が出展した。イベント期間中には日系スタートアップ10社(注2)がピッチイベントに登壇し、多くの聴衆に自社のプロダクトやサービスをアピールした。
ジェトロがジャパンパビリオンの出展日系スタートアップにヒアリングしたところ、参加目的は資金調達やパートナー・顧客の発掘などさまざまだった。また、多くの日系スタートアップが来場者から成果につながるような声掛けがあったと答え、手応えを口にした。
日系スタートアップによるピッチ(ジェトロ撮影)
このイベントの目玉の1つで、スタートアップのコンペティションのスタートアップバトルフィールドには、世界中の数千を超える参加応募から選び抜かれた20社がピッチとQ&Aセッションに登壇した。同コンペティションでは、上位6社による準決勝を経て、胎児の超音波検査時の画像をAIで解析することにより、胎児奇形の誤診を防ぐプラットフォームを開発するバイオティクスAI(BioticsAI、本社:米国カリフォルニア州)が優勝し、トロフィーと賞金10万ドルを獲得した。
スタートアップバトルフィールドの様子(ジェトロ撮影)
(注1)対話型のワークショップ
(注2)出展企業は次のとおり。
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bajji
:二酸化炭素(CO2)削減プロジェクトを「応援」する環境貢献型NFT。
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Beatrust
:社内のタレントコラボレーションプラットフォームを提供。
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BoostDraft
:AIを活用して法的文書の審査を簡易化するドキュメントエディター。
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Final Aim
:ブロックチェーンやスマートコントラクトを使い、デザインと製造業の課題解決を図る。
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HARTi
:プリクラの進化系、コンテンツを世界に配信するフォトブース。
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Nostal Homes
:スキーリゾート別荘に特化したマーケットプレイスを提供。
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Qlay Technologies
:消費財ブランドの商品企画・開発を支援するための生成AIツール。
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Solafune
:衛星データを解析するコンテストプラットフォーム。
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Ubiq
:チャリティーモール、返礼品付き寄付プラットフォーム。
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yodayoda
:オンデマンドでストリートビュー写真を提供するサービス。
(芦崎暢)
(米国、日本)
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