英政府、より予測可能な勤務形態を求める法律の成立発表

(英国)

ロンドン発

2023年09月28日

英国ビジネス・通商省は9月19日、英国内の労働者が予測可能な勤務形態を求める権利を有する法律の成立を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(法令は英国政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ゼロ時間契約(注)をはじめとした変則的な契約を結んでいる個人を対象に、より予測可能な契約を要求できる権利を与えるとした。勤務時間や勤務時間帯に確実性が欠ける場合、もしくは12カ月未満の契約雇用の場合、労働者は勤務パターンをより予測可能なものとするべく、変更申請を行うことが可能となる。雇用主は1カ月以内に結果通知をする義務が発生する。これにより、休日のみ働く非正規労働者や、食品配達業務などの単発な仕事を請け負う労働者が勤務時間等について契約内容の見直しを申請できることになる。

なお、申請では一定期間、雇用主の下で働いていなければならず、期間は26週間となる見込み。今後は二次立法を通じて、約1年後に施行する予定としている。

そのほかにも、次のような雇用に関する法案が発表されている。

  • 新生児が入院した場合、両親に最大12週間の有給新生児医療休暇の付与
  • チップやサービス料を労働者に全額支払うことを雇用者に義務付け
  • 妊娠中や産後の両親の解雇に対する保護強化
  • 従業員への無給介護休暇の付与
  • 時間、場所、形式など柔軟な働き方を要求する権利の付与

(注)ゼロ時間契約労働:雇用主が必要とする時間だけ就労し、報酬は就労時間に対してのみ支払われ、週当たりの労働時間が明記されない雇用形態。

(松丸晴香)

(英国)

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