UAE経済省、知的財産部門を1つに集約、新次官補を任命

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年08月03日

アラブ首長国連邦(UAE)経済省は8月1日、組織改編によって知的財産に関する機能を1つの部局に集約し、知的財産部門を創設したことを公表した。同部門を所管する新設の次官補には、ドバイ警察のアブデルラフマン・ハッサン・アルムアイニ氏が就任している。

知的財産部門には「イノベーション部・産業財産権部」「商標部」「著作権・著作隣接権部」の3部が統合された。特許関連は「イノベーション部・産業財産権部」に含まれる。

これまでUAEでは、商標・著作権関連は商務規制部門、特許関連は起業家精神・中小企業開発部門に分かれており、異なる次官補の管轄下にあった。UAE経済省へのヒアリングによると、今回の統合には、審査体制の整備など、知的財産に関する機能を強化する狙いがある。

アルムアイニ新次官補は、知的財産の保護活動に関してUAE政府内で中心的な役割を果たしてきた人物だ。25年以上在籍してきたドバイ警察では戦略策定に関する要職に就いていたが、今回、連邦政府に移り、知的財産政策を統括する立場に抜てきされた。UAEと各国政府や民間団体をつなぐ長年の活動が評価されたものとみられる。

同氏は、UAE政府職員を主要な構成員として各首長国の警察や税関など知的財産権の執行機関に影響力を有する非営利団体の首長国知的財産協会(EIPA: Emirates Intellectual Property Association)の事務局長も務める。模倣品対策に関する日本とUAEの協力関係でも要となってきた。直近では、2023年2月にジェトロが実施したUAE政府執行機関の招聘(しょうへい)事業で同協会代表の1人として来日している(2023年3月10日記事参照)。

(関景輔、クリス・アンジェラ・リアーノ・ソリス)

(アラブ首長国連邦)

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