産業競争力強化などに向けて、政府が関税政策を発表
(バングラデシュ)
ダッカ発
2023年08月30日
バングラデシュ商業省は8月10日、同国初の関税政策である国家関税政策2023を発表した(添付資料:ジェトロ仮英訳参照)。本政策は、同国が2026年に後発開発途上国(LDC)から卒業予定であることを見据え、貿易自由化および関税構造の合理化を通じて、国内産業の競争力強化、輸出の拡大および多角化、投資の促進や雇用の創出を行うことで、持続可能な経済成長を実現することを目的としている。
第3章では、同国の関税制度の現状が整理されており、税収確保や国内産業保護を目的に、補足税(Supplementary Duty:SD)や調整税(Regulatory Duty:RD)といった、一般関税以外の輸入時に課税される諸税の賦課対象範囲が拡大されてきたことなどを筆頭に、各種課題が列挙されている。
このような課題を受けて、第6章では、今後の方針としての基本原則が定められている。以下はその一例。
- 関税構造を簡素化し、不必要に複雑にしないことを目的に、同様の商品への税率を可能な限り同等にすることによって、より高い透明性を確保すること
- 関税率を合理的な水準まで段階的に引き下げること
- 緊急時を除き(不定期の)調整税を課税しないこと
- 最低輸入価格の設定による課税システムを廃止すること
一方で、本政策はあくまでも大枠としての方針を示したものに過ぎず、具体的な税率の引き下げや制度改革について言及したものではない。今後、バングラデシュ貿易関税委員会の支援のもと、国内資金局および国家歳入庁(NBR)によって本政策は施行され、策定から6カ月以内に、上記の第6章に定められた基本原則に照らして、関税制度を合理化するための期限付きのアクションプランがNBRによって策定される予定であることが発表されている。
(薄木裕也)
(バングラデシュ)
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