CATL、車載用LFP電池を開発、10分の充電で400キロ走行可能

(中国)

上海発

2023年08月22日

中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は8月16日、世界初の4C(注)急速充電が可能なリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池「神行超充電池」を発表した。同電池を搭載する電気自動車(EV)は、10分の充電で400キロの走行ができ、航続距離も700キロを超える。さらに、マイナス10度の低温環境でも30分で80%まで充電でき、加速性能も保つという。CATLは2023年末に「神行超充電池」の量産を開始し、2024年第1四半期(1~3月)に同電池を搭載するEVを発売する計画だ。

同社は、4C急速充電が可能な三元系リチウムイオン電池「麒麟電池」を開発済みだ。4月に初の納入先として、新興EVメーカーの理想汽車のEVに搭載すると発表している。LFP電池と三元系電池は車載電池の2本柱として、EV普及を後押しすることが期待される。

中国では、LFP電池のシェアが急速に拡大している。中国汽車動力電池産業創新連盟の発表によると、2023年1~7月に中国で販売されたLFP電池(搭載ベース)の市場シェアは68.1%で、三元系電池(同31.8%)の2倍以上だ。前年同期比の伸び幅でも、LFP電池は59.6%増と、三元系電池(同5.6%増)を大きく上回った。企業別の市場シェアを見ると、CATLは43.1%と最大で、2位はBYD(同29.7%)だった。

(注)Cレートは電池の充放電性能を指しており、数値が大きいほど性能が高い。

(劉元森)

(中国)

ビジネス短信 e2941e0528c4cc36