7月の貿易額、輸出入ともに前年同月比2桁の減少

(中国)

北京発

2023年08月15日

中国海関総署の8月8日の発表によると、2023年1~7月の貿易総額は前年同期比6.1%減の3兆4,002億ドル、輸出額は5.0%減の1兆9,449億ドル、輸入額は7.6%減の1兆4,553億ドルだった。7月単月では、貿易総額が前年同月比13.6%減の4,829億ドル、輸出額が14.5%減の2,818億ドル、輸入額が12.4%減の2,012億ドルだった。前月からさらにマイナス幅が広がったかたちだ(2023年7月21日記事参照)

主要貿易相手国・地域別にみると、多くの国・地域で前年同期比マイナスとなった。1~7月の日本との貿易総額は12.0%減、日本向け輸出額は6.8%減、日本からの輸入額は16.7%減となった。台湾はマイナス幅が特に大きく、貿易総額が23.2%減、輸出額が24.5%減、輸入額が22.8%減となった。主要国で貿易総額が前年同期比プラスだったのは南アフリカ共和国、オーストラリア、シンガポール、ロシアで、それぞれ3.8%増、5.4%増、8.1%増、36.5%増だった。

主要品目別に1~7月の輸出入をみると、輸出では未鍛造・未圧延アルミニウムが数量で前年同期比20.7%減、金額で32.5%減と大幅減が続いている。また、携帯電話は数量・金額ともに2桁減だった。一方で、自動車(シャーシを含む)は数量で74.1%増、金額で2.04倍とプラスを維持している。輸入では鋼材、集積回路、自動車(シャーシを含む)、化粧品が数量・金額ともに2桁減だった。

前年同期比でマイナスとなった要因について、国聯証券の樊磊アナリストは8月9日発表の7月外国貿易データ論評において、2022年5~7月は滞留した物流が動き始めたタイミングで輸出が集中したため、比較対象となる基準値が高いためだと分析している。また、今後の見通しについては、輸出規模は安定的に推移していき、8月以降の前年同月比輸出増加率は比較対象となる基準値が下がるにつれて徐々に改善すると予想している。さらに、それ以外のポジティブな要因として、世界の製造業購買担当者指数(PMI)から外需は底堅く大企業による需要は改善しているとみられること、米国経済における在庫補充の動きが中国の輸出を下支えすること、コモディティ価格の上昇による関連商品輸出の改善、対外貿易安定化に向けた一連の政策措置を挙げている。

(亀山達也)

(中国)

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