上半期と6月の貿易額の伸びは前年同期・同月比マイナス

(中国)

北京発

2023年07月21日

中国海関総署の713日の発表によると、2023年上半期(16月)の貿易総額は前年同期比4.7%減の29,182億ドル、輸出額は3.2%減の16,634億ドル、輸入額は6.7%減の12,547億ドルだった。6月単月では、貿易総額が前年同月比10.1%減、輸出額が12.4%減、輸入額が6.8%減だった。

上半期の貿易を主要な貿易相手国・地域別にみると、最大のパートナーのASEAN向け輸出額が大幅に減速したことなどにより、輸出総額の伸びがマイナスに転じた。6月単月では、ASEAN向けの輸出額は2桁減となっている〔添付資料「表1 中国の主要国・地域との貿易額(2023上半期)」、「表2 中国の主要国・地域との貿易額(20236月)」参照〕。

主要品目別にみると、輸出額では、PCなどの自動データ処理装置とその部品や携帯電話が2桁減となった一方、自動車(シャーシを含む)は約2倍だった。輸入では、大豆や石炭が金額・数量ともに2桁増の一方、集積回路は金額ベースで2桁減だった。

海関総署の報道官は、上半期は国際市場が不安定、不確実で予想が困難な要因が多かった中でも、貿易は全体として予想どおりに推移したと評価した。下半期については、短期的には外需の回復の勢いが不足することから、貿易の伸びには比較的大きな下押し圧力がかかるが、政策効果の発揮などにより、2023年の輸出入目標を達成する条件や自信は備わっていると述べた。

商務部国際貿易経済合作研究院の白明氏は、足元の数値が落ち込んでいることについて、世界需要が減速傾向にあることや、比較対象となる前年同期の数値の高さなどの複合的な要因によるものだと指摘した上で、前年の数値の推移をみると、貿易の伸びは第4四半期(1012月)には好転するだろうとの見通しを示した。また、「『一帯一路』沿線国との貿易が大幅に伸びている点は喜ばしいが、経済規模の違いなどから、欧米や日韓などとの貿易の減少を完全に相殺することはできない。先進国向けの輸出を安定させることは依然として重要な取り組みだ」とも指摘した(「21世紀経済報道」713日)。

(小宮昇平)

(中国)

ビジネス短信 72dbfd10c45264af