7月の消費者物価上昇率、前年同月比0.38%、8月もやや上昇の見込み
(タイ)
バンコク発
2023年08月08日
タイ商務省が8月7日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で0.38%となり、前月(0.23%)から伸びが上昇したものの、低い上昇率にとどまった。
主な要因は、食料品価格、特に豚肉、調味料の3カ月連続の下落、5カ月連続のエネルギー価格下落で、ベースとなる前年同月の物価が高かったことも影響した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数については、0.86%と前月(1.32%)から伸びが鈍化した。
食品・非アルコール飲料は1.49%(6月3.37%)、非食品はマイナス0.38%(同マイナス1.88%)だった。品目別の上昇率では、コメ・小麦・穀物製品が1.70%(同2.98%)、総菜が1.88%(同3.42%)、車両燃料がマイナス7.92%(同マイナス16.03%)など。
商務省によると、8月のCPI上昇率はわずかに上昇すると見込んでいる。悪化する干ばつの影響による食料品価格の上昇や、OPECプラス(注)の減産による原油価格の上昇、ロシア・ウクライナ情勢などがCPI上昇率の上向き要因となるものの、ベースとなる前年8月の高物価がCPI上昇を制限するとした。
2023年通年のCPI上昇率については、1.0%~2.0%(中央値1.5%)との予測を維持した。
(注)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などのOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成。
(藤田豊)
(タイ)
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