デリー首都圏における段階的大気汚染対策「新GRAP」導入・施行へ

(インド)

ニューデリー発

2023年08月14日

インドのデリー首都圏・周辺地域の大気汚染対策を所管する大気質管理局(CAQM)は2022年10月以降、デリー首都圏の大気汚染対策の一環として、空気質指数(AQI)が201以上となる場合には、AQIの水準に応じた段階的な各種規制「行動計画:GRAP」を課してきた。これに対し、7月27日付通達75号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で新しいGRAP(新GRAP)が発表され、2023年10月1日から施行される。これは、2022年8月5日付通達66号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で発表され、現在施行されているGRAPに代わるものだ。

デリー首都圏・周辺地域に進出している日系企業は、新GRAP施行に当たり、ディーゼル発電機の使用ならびに工場建設に注意を払う必要がある。新GRAPでは、現行の施策と同様に、ステージ2以上(AQI≧301)でディーゼル発電機の使用規制が実施される。使用条件については、6月2日付通達73号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2023年6月12日記事参照)に準ずるため、これに従い対応を進めている日系企業の追加対策は不要だ。

工場建設について、従来の施策ではステージ2(AQI301~400)で工事現場のごみ・粉塵(ふんじん)の定期検査および厳格管理を求めているが、新GRAPではステージ2での同検査、管理の一層の強化を求めている。大気汚染が予想される冬場の工事遅延が従来以上に予想されるので、注意が必要だ。

CAQMのアービンド・ノーティヤル次官補はジェトロのヒアリング(8月9日)に対して、CAQMから地域配電会社のJVVNL、DHBVN両社社長に対し、より一層の電力供給安定化に取り組むよう要請したことを明らかにした。

(波多野知行)

(インド)

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