デリー首都圏におけるディーゼル発電機使用に新規制

(インド)

ニューデリー発

2023年06月12日

インドのデリー首都圏・周辺地域の大気汚染対策を所管する大気質管理局(CAQM)は6月2日、これまでに発表してきた一連の規則に代わり、10月1日から工業、商業、住居、事務所用ディーゼル発電機に新規則を適用するとの通達(第73号)を発表した。デリー首都圏におけるディーゼル発電機の使用を巡り、CAQMはこれまで一貫して規制強化を図ってきたが、国内産業界から、従来の通達内容には技術的・実務的な課題が多く、順守が困難として、再考を求める声が多く寄せられていた。この結果、CAQMは実態を踏まえた規則改定を余儀なくされる結果となった。

CAQMによる2023年2月9日付通達(第71号)において、デリー首都圏のガス供給がある地域において操業する企業は、5月15日以降、容量800キロワット以下のディーゼル発電機を使用する場合には、ディーゼル・天然ガス混焼タイプへの改造が必須要件となっていた(2023年5月19日記事参照)。しかし、今回の通達第73号で当該規則は取り下げられ、これに代わり、10月1日以降は添付資料表の新規則が適用されることとなる。

現状、デュアルモード変更に対応したとしても、肝心のガス供給インフラの未整備が課題となっていた。また、認証RECD装置の供給体制も125キロワット未満や800キロワット超では整備されていなかったが、こうした課題解決に猶予が与えられるかたちとなった。

CAQMのアービンド・ノーティヤル次官補はジェトロのヒアリング(6月6日)において、今回の新たな通達をもって、9月30日まではディーゼル発電機の使用に係る各種制限は、GRAPに基づく規制を除き、撤廃されたことに言及した。他方、10月1日以降は今回の新しい通達内容が厳格に運用されることになるとして、9月末までに各企業が十分な準備を行うことを求めている。

(波多野知行)

(インド)

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