7月の輸出額は前年同月比18%減、輸入額は8%減

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年08月29日

インドネシア中央統計庁(BPS)が8月15日に発表した輸出入のデータによると、7月の輸出額は前年同月比18.03%減の208億8,110万ドル、輸入額は8.32%減の195億6,840万ドルだった(添付資料表参照)。前月比では輸出額は1.36%増、輸入額は14.1%増となった。貿易収支は13億1,270万ドルの貿易黒字となり、39カ月連続で黒字を維持した。

7月の輸出の内訳をみると、石油・ガスが前月比で2.61%減、非石油・ガスが1.62%増となった。輸出全体の9割超を占める非石油・ガスの内訳をみると、鉱物性燃料が6.93%減の31億4,810万ドル、動植物性油脂が0.93%減の27億2,110万ドル、電気機器が6.67%増の12億3,780万ドルの順だった。

輸入では、石油・ガス、非石油・ガスが前月比でそれぞれ40.94%、10.10%増加した。非石油・ガスの内訳をみると、機械類・輸送用機器が12.99%増の29億1,640万ドル、電気機器が17.33%増の23億1,360万ドル、鉄鋼が9.56%減の8億8,800万ドルとなった。

7月の非石油・ガスの主要相手国別の輸出額は、中国が49億2,780万ドル(前月比7.52%減)、米国が20億3,420万ドル(4.07%増)、日本が14億3,490万ドル(1.01%減)となった。主要相手国別の輸入額は、中国が55億4,880万ドル(14.34%増)、日本が14億1,970万ドル(1.49%増)、タイが8億4,690万ドル(8.42%減)と続いた。

7月単月の貿易収支をみると、前月に続きインドとの貿易収支が13億7,640万ドルと最大の黒字で、米国が11億4,850万ドル、マレーシアが3億6,280万ドルの黒字と続いた。一方、中国との貿易収支がマイナス6億2,100万ドルと最大の赤字となった。

BPS長官代理のアマリア・アディニンガー・ウィディアサンティ氏は「1~7月の輸出入額が減少したのは主にパーム油や石炭といった主要輸出商品の国際価格の下落が要因だが、国内経済は堅調に推移しており、2023年通年のインドネシア国内の経済成長に影響を与えるには至らないだろう」とした(「CNBCインドネシア」8月15日)。

一方、ダナモン銀行のエコノミスト、イルマン・ファイズ氏は「輸出額の減少が継続している一方で、輸入額は国内の産業活動増加に伴い徐々に増加している。輸出額の減少および輸入額の増加は貿易収支の黒字幅を減少させ、通年の経常収支の黒字減に影響するだろう」と述べた(「コンパス」8月16日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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