アラブ若者調査、8割がトルコと中国を同盟国と回答

(中東、湾岸協力会議(GCC)、北アフリカ、中国、米国、ロシア、トルコ)

調査部中東アフリカ課

2023年08月17日

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのPR会社ASDA'A BCWは、アラブ諸国の若年層を対象とした意識調査「アラブ若者調査」の2023年の結果を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。今回で15回目となった同調査では、202334月にかけて18カ国(注)53都市で1824歳の3,600人の男女を対象に、対面でのインタビュー調査が行われた。

調査結果によると、非アラブの同盟国としては、回答者の82%がトルコを同盟国(「強力な同盟国」「ある程度強力な同盟国」)と考えると回答し、首位となった。次いで、中国を同盟国と回答した割合も80%に上った。米国を同盟国と考える回答者は72%で、英国(79%)やインド(73%)などを下回って7位だった。ロシアを同盟国と回答した人は、前年調査では72%で3位だったが、今回は63%にまで低下し、9位となった。

アラブ世界で最も影響力のある国を聞く質問では、回答者の33%が米国と回答し、トップだった。次いで、UAE11%、サウジアラビアとイスラエルが10%だった。中国は4%で8位、トルコは3%で9位だった。ただし、中東での米国の関与低下を支持するかを聞くと、61%が「強く支持する」または「ある程度支持する」と回答している。

最も住みたい国として、UAE12年連続で1位となった。次いで米国、カナダの順だった。4位には前年調査ではランク外だったカタールが入った。また、自国にモデルとしてほしい国を聞く質問でも、UAE12年連続で首位をキープした。2位の米国も10年連続、3位のカナダも3年連続の結果だった。一方、4位にカタール、5位にサウジアラビア(英国と同率順位)が入り、トップ5に湾岸協力会議(GCC3カ国がランクインしたのは2014年以来となった。ASDA'A BCWは背景として、3カ国が近年取り組んでいる経済多角化の成果に加えて、2022年にカタールで開催されたサッカーワールドカップや、サウジアラビアの観光地や投資ハブとしての台頭を指摘している。

(注)湾岸協力会議(GCC)諸国5カ国〔バーレーン、クウェート、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)〕、東部地中海沿岸地域・その他6カ国(イラク、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、シリア、イエメン)、北アフリカ地域7カ国(アルジェリア、エジプト、リビア、モロッコ、スーダン、チュニジア、南スーダン)の計18カ国。

(稲山円)

(中東、湾岸協力会議(GCC)、北アフリカ、中国、米国、ロシア、トルコ)

ビジネス短信 8d68dfaff7781bf6