米台貿易イニシアチブの追加交渉、農業・労働・環境の3分野を議論

(米国、台湾)

ニューヨーク発

2023年08月22日

米国通商代表部(USTR)は818日、「21世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」の第2回交渉会合を8月14~18日に首都ワシントンで行ったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。交渉会合は米国在台湾協会(AIT)と駐米国台北経済文化代表処(TECRO)が主催し、米国代表団はUSTRのテリー・マッカーティン代表補が率いた。

米国と台湾は518日に貿易イニシアチブの第1段階の合意を発表し(2023年5月22日記事参照)、AITTECRO61日に協定に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。第1段階の協定では、交渉マンデート(2022年8月19日記事参照)で定めた分野のうち、税関手続きと貿易円滑化、良き規制慣行、サービスの国内規制、反腐敗、中小企業が扱われた。そのほかの分野については、米台は追加協定を交渉するとしていた。

今回の交渉会合では、残る交渉分野のうち、農業、労働、環境の3分野に関するテキスト案について意見交換を行った。USTRは生産的な対話だったと述べた上で、米台の高官が合意形成のため、今後数カ月にわたって議論を続けるとの見通しを示した。

米台貿易イニシアチブを巡っては、連邦議会が実施法案を可決し、ジョー・バイデン大統領が87日に法案に署名した(2023年8月14日記事参照)。同法は追加協定に関し、政権に議会との協議を課すなど、交渉における議会の関与を定めている。USTRは同法を順守する意向を示しているが、今回の交渉会合に関するプレスリリースで議会とのやり取りには言及していない。

(甲斐野裕之)

(米国、台湾)

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