第2四半期のGDP成長率は1.5%増、前期から伸び率は鈍化

(香港)

香港発

2023年08月07日

香港特別行政区政府統計処は7月31日、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比で1.5%増と発表した(添付資料図参照)。2四半期連続のプラス成長となったが、前期から1.4ポイント低下した。

GDP成長率を需要項目別にみると、前年同期比でプラス成長だったのは、個人消費支出(8.5%)と貿易のサービス輸出(22.6%)、サービス輸入(30.2%)のみだった。政府消費支出はマイナス9.6%と、前期(1.3%)より10.9ポイント低下、固定資本形成はマイナス1.0%で、前期(7.9%)より8.9ポイント低下、いずれもマイナスとなった。貿易の財輸出はマイナス15.3%、財輸入はマイナス16.1%となり、いずれも2桁台の減少だった。

香港政府報道官は2023年第2四半期の香港経済の回復要因について、「インバウンド観光と個人消費に牽引された結果」とする一方で、マイナス成長となった需要項目別の分析については「外部需要が弱く、財の輸出は引き続き大幅に減少した。また、金融引き締めの影響で投資支出全体が緩やかに減少した」と振り返った。その上で、同報道官は2023年後半の香港経済について「推進力は引き続きインバウンド観光と内需だ。労働市場の改善に加え、政府のさまざまな取り組みと相まって、個人消費を後押しするだろう」と述べる一方で、継続的な懸案事項として、金融引き締め、世界経済の成長鈍化による外需の圧迫などを挙げた。

なお、香港政府は8月11日、2023年第2四半期のGDP成長率の詳細を公表する。

(松浦広子)

(香港)

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