上半期の日本からアフリカへの輸出は前年同期比8.7%減、輸入は同7.7%減

(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、リベリア、ケニア、アルジェリア、マダガスカル)

調査部中東アフリカ課

2023年08月01日

財務省が7月28日に発表した2023年上半期(1~6月)の貿易統計の確報値によると、日本からアフリカへの輸出額は前年同期比8.7%減の5,863億円、日本のアフリカからの輸入額は7.7%減の8,088億円だった。

日本のアフリカ向けの国別輸出では、南アフリカ共和国が構成比28.4%で最大となり、リベリアが20.9%、ケニアが11.3%と続いた。輸出額が多い上位10カ国は次のとおり。

  • 南ア:1,668億円(前年同期比11.6%増加)
  • リベリア:1,226億円(同34.3%減少)
  • ケニア:660億円(同3.0%増加)
  • タンザニア:377億円(同28.7%増加)
  • エジプト:372億円(同34.0減少)
  • ナイジェリア:168億円(同11.5%増加)
  • モロッコ:164億円(同24.3%増加)
  • ウガンダ:115億円(同19.4%減少)
  • モーリシャス:109億円(同83.4%増加)
  • コンゴ民主共和国:96億円(同51.4%増加)

輸出を品目別にみると、リベリア向けの多くを占める船舶の1,188億円が最大だった。自動車の輸出も多く、南アには664億円、ケニアには369億円(中古車が大半)、タンザニアには217億円(中古車が大半)、エジプトには64億円を輸出している。

輸入の大半は南アからの白金族の金属

日本のアフリカから輸入を国別にみると、南アが全体の65.0%で大半を占めており、アルジェリアが6.7%、マダガスカルが4.1%と続いた。輸入額が多い上位10カ国は次のとおり。

  • 南ア:5,261億円(前年同期比14.8%減少)
  • アルジェリア:544億円(同2.35倍)
  • マダガスカル:330億円(同38.2%増加)
  • エジプト:275億円(同38.4%増加)
  • ナイジェリア:223億円(同42.0%減少)
  • モロッコ:206億円(同27.3%減少)
  • モザンビーク:145億円(同51.1%増加)
  • 赤道ギニア:143億円(同91.3%増加)
  • モーリタニア:142億円(同58.1%増加)
  • チュニジア:128億円(同2.6%増加)

南アからはロジウム(1,216億円)、白金(783億円)、パラジウム(775億円)といった白金族の金属が多く、石炭(449億円)、乗用車(282億円)も輸入している。マダガスカルからはニッケルおよび同合金(282億円)、ナイジェリアからはアルミニウムおよび同合金(111億円)も輸入された。そのほか、アルジェリアから石油製品(544億円)、液化天然ガス(LNG)はエジプト(227億円)、赤道ギニア(143億円)、モザンビーク(59億円)からの輸入も多かった。モザンビークのタコ(86億円)、ガーナのカカオ豆(80億円)、チュニジアのマグロ(72億円)、タンザニアのコーヒー生豆(66億円)など農水産品も輸入された。

(井澤壌士)

(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、リベリア、ケニア、アルジェリア、マダガスカル)

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