貿易投資促進庁、日本向けのオーストラリア脱炭素ビジネスサミットをシドニーで開催

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2023年08月22日

オーストラリア貿易投資促進庁はシドニー工科大学で72627日、日本企業向けにオーストラリア脱炭素ビジネスサミット(Decarbonising Australia Business Summit)を開催した。2日間で総参加者数は延べ約600人に達した。

日本側は現地日系企業や日本企業本社が招待され、約280人が参加した。オーストラリア側からは政府関係者(連邦政府、州政府)や同国企業、研究機関、大学など約320人が参加した。サミット初日にはドン・ファレル貿易・観光相(録画)や、日本を訪問中のクリス・ボーウェン気候変動・エネルギー相(ライブ中継)、ティム・エアーズ貿易補佐大臣など連邦政府の閣僚があいさつし、日本政府からは徳田修一・駐シドニー総領事らが基調講演を行った。

写真 冒頭あいさつを行うファレル貿易・観光相(ジェトロ撮影)

冒頭あいさつを行うファレル貿易・観光相(ジェトロ撮影)

写真 ボーウェン気候変動・エネルギー相のライブ中継によるあいさつ(ジェトロ撮影)

ボーウェン気候変動・エネルギー相のライブ中継によるあいさつ(ジェトロ撮影)

同サミットでは、連邦政府や州政府による再生可能エネルギーや炭素クレジット、水素、グリーンファイナンスなどに関する政策のプレゼンテーションが行われた。また(1)産学連携、(2)水素・アンモニア、(3)CCS〔二酸化炭素(CO2)回収・貯留〕、(4)持続可能な航空燃料(SAF)、(5)グリーンスチール、(6)脱炭素分野の国際連携、(7)産学連携ケーススタディー、(8)合成燃料(E-fuel)、(9)クリーン技術を持ったオーストラリアスタートアップによるピッチ、(10)グリーンファイナンスをテーマとするパネルセッションが開催され、各分野で事業に取り組む両国企業、日本政府関係機関、オーストラリア研究機関のほか、欧州企業、韓国企業などが登壇し、協業の実例を紹介した。

オーストラリアでは、2022年5月に誕生したアルバニージー労働党政権が選挙公約に基づき、2030年までの温室効果ガス(GHG)排出量を2005年比で43%削減、2050年までにネットゼロという目標を発表、「気候変動法」を制定して目標達成を法制化した。また、再生可能エネルギー比率を27%(2020-2021年実績)から2030年までに82%まで引き上げる目標を設定し、今後の脱炭素化に向けた取り組みを積極的に進めている。

サミットでは、両国間で脱炭素分野での新たな協業を促進するために、「脱炭素化」の課題を乗り越えた両国の協業の在り方や、今後の脱炭素分野でのビジネス機会について活発な意見交換が行われた。日本企業向けに、サミット参加者とのマッチングや脱炭素関連分野の現地視察なども行われた。

(青島春枝)

(オーストラリア、日本)

ビジネス短信 3bb25d08b1cd9d8c