半導体大手各社が投資に意欲、「セミコン・インディア2023」

(インド)

アーメダバード発

2023年08月07日

インド西部グジャラート(GJ)州の州都ガンディナガルで7月28~30日の3日間、半導体産業の振興イベント「セミコン・インディア2023(注)」が開催された(2023年7月14日記事参照)。開会式には、ナレンドラ・モディ首相およびブペンドラ・パテルGJ州首相が出席したほか、アドバンスト・マイクロ・ディバイセズ(AMD)、アプライド・マテリアルズ、マイクロン、フォックスコンなど、各国の大手半導体企業が登壇し、インドへの投資に意欲を示した。

マイクロンのサンジャイ・メロトラ最高経営責任者(CEO)は「GJ州の工場で組み立てた製品はインドだけではなく、世界中の顧客に供給される」として、製品を輸出する構想を明らかにした(「タイムズ・オブ・インディア」紙7月28日)。同社は6月28日、アーメダバード近郊のサナンドII工業団地における半導体組み立て・テスト工場設立に関する覚書をGJ州政府と締結している(2023年7月10日記事参照)。同工場は2023年内に着工し、2024年後半には50万平方フィート(約4万6,500平方メートル)のクリーンルームを含むフェーズ1が稼働する予定だ(2023年6月26日記事参照)。米国企業の進出決定に伴い、サプライヤー各社もインドへの投資を検討する動きをみせており、今後の動向が注目される。

また、2023年7月10日に半導体製造に関する合弁事業の解消を発表した、べダンタとフォックスコン(2023年7月13日記事参照)も同イベントに登壇した。べダンタ・グループのアニル・アガルワル会長は「半導体分野に関して世界クラスの技術パートナーを見つけ、最終交渉を行っている」として、引き続き半導体とディスプレーの製造に注力する方向性を示した(「ビジネス・トゥデイ」紙7月28日)。一方で、フォックスコンの劉揚偉董事長も「台湾はインドにとって最も信頼できるパートナーだ」と述べ、最適なパートナーを探し、「修正インド半導体プログラム」(2023年6月5日記事参照)に基づく補助金申請に向けた準備を進めていると述べた(「エコノミック・タイムズ」紙7月28日)。

(注)インド政府電子・情報技術省(MeitY)が所管するインド半導体ミッション(ISM)が主催する国際カンファレンス。2022年に続き2度目の開催となる。

(飯田覚)

(インド)

ビジネス短信 3948dfc33f822662