中国第一汽車集団が長春市で、5G+自動運転のハイパワー無線給電道路システムを開発
(中国)
大連発
2023年08月01日
国有自動車製造大手の中国第一汽車集団(以下、中国一汽、吉林省長春市)は7月14日、科学技術イノベーション基地を正式にオープンしたと発表した。同基地は新エネルギーとインテリジェントネットワーク接続の技術のブレークスルーを実現するため建設した新たな研究開発拠点で、中国初のスマートエネルギーシステムを統合した自動車工業団地となる。
7月18日のCCTV4(中国中央電視台国際チャンネル)では、同基地の「5G+自動運転のハイパワー無線給電道路システム」について、「5G+自動運転のハイパワー無線給電道路システム」は中国一汽科学技術イノベーション基地に開設(道路の全長は120メートル)し、新エネルギー車(以下、新エネ車)がこの区間を走行した場合、1.3キロメートルまで走行できる電気量が充電・供給される仕組みで、走行しながらのワイヤレス充電を実現した、と報じている。
「吉林日報」7月15日付記事によると、吉林省長春市に位置する、中国一汽科学技術イノベーション基地の建設は2020年3月に着工し(総面積は26万平方メートル)、約3,000人の研究開発スタッフが同時に作業可能だ。同基地は、5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク接続を実現し、中国唯一のスマート運転向けの制御可能な雨、霧、光環境シミュレーション実験室を備え、中国初で同時に3つ(中国基準、米国基準、欧州基準)の要件を満たし、新エネ車の衝突に耐えうる実験室や中国最先端の技術指標を備えた車両NVH開発用の半無響実験室も併設されていると報じている。
中国一汽総経理で党委副書記を務める邱現東氏は冒頭のあいさつで、「中国一汽科学技術イノベーション基地の開設は、第一汽車におけるハイレベルな技術発展を確実に促進し、中国自動車産業の質の高い発展の強力な原動力となるだろう」とコメントした。
(呉暁東)
(中国)
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