日本・ブラジル両国間で短期滞在ビザ相互免除に合意

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2023年08月10日

ブラジル外務省は8月9日、日本とブラジルの両政府間で、観光などを目的とした90日以内の短期滞在査証(ビザ)の相互免除措置の合意に至ったと発表した(ブラジル外務省8月9日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。当面の免除期間は3年間有効で、2023年9月30日から適用開始となる。

ブラジルは、これまでオーストラリア、カナダ、米国、日本を対象に短期滞在ビザの免除措置(2019年3月22日記事参照)をとっていたが、2023年3月13日に発表された「プレスリリース96号」により、2023年10月1日以降は再度ビザ取得が求められることとなっていた(2023年3月22日記事参照)。従来のビザ免除措置はブラジルに入国する日本人に対してビザを一方的に免除するもので、日本に入国するブラジル人にはビザが必要だった。このため、ブラジル政府は相互主義の原則に基づき、日本人のブラジル入国の際は再度ビザ取得を要求することとしていた。

しかし、2023年5月のG7広島サミットの際に行われた日伯首脳会談時に、岸田文雄首相がルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領に対してブラジルの一般旅券所持者に対する短期滞在査証免除措置の導入に向けた手続きを開始する意向を示し、それを受けて今回の相互短期ビザ免除の合意が結実した。

ビザ相互免除により見込まれるインバウンドへの効果

日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2022年の訪日ブラジル人観光客数は年間9,436人(コロナ禍前の2019年は年間4万7,575人)だった。2023年4月末時点では1万3,738人と、コロナ禍前のペースに戻りつつある。2023年はブラジルへの日系移民115周年の節目でもあり、9月30日以降ビザが免除されることで両国間の人的交流が期待される。

(中山貴弘)

(ブラジル、日本)

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