EUとシンガポール、デジタル貿易協定の交渉開始

(EU、シンガポール)

シンガポール発

2023年07月24日

シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相と欧州委員会(EC)のバルディス・ドムブロウスキス上級副委員長兼貿易担当欧州委員は7月20日、デジタル貿易協定の交渉開始を発表した〔シンガポール貿易産業省(MTI)ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますECウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

EUとシンガポールは2月、EUシンガポール・デジタルパートナーシップ(EUSDP)と、デジタル貿易原則に署名した(2023年2月3日記事参照)。今回のデジタル貿易協定交渉開始に関する共同声明によると、EUSDPとデジタル貿易原則に基づき、「(EUとシンガポール)両者の社会のデジタル変革に貢献し、両者の企業と(加盟国)国民がデジタル経済の急速な発展に歩調を合わせることを可能にし、既存の特恵貿易枠組みを深化させ補完する野心的で現代的なデジタル貿易協定を交渉する」という。

EUSDPとデジタル貿易原則は、国際法または国内法上のいかなる権利または義務も生じさせるものではないとしていた。今回の共同声明では、デジタル貿易のルールは「消費者の信頼を築き、企業にとって予見可能性と法的確実性を確保し、デジタル貿易に対する不当な障壁の出現を除去・防止するものであるべき」とした。また、MTIは今回のデジタル貿易協定交渉開始に関する発表で、デジタル貿易協定により「エンド・ツー・エンドの貿易に確実性を与え、信頼できるデータ流通を促進し、接続された安全なデジタル環境を促進するための法的拘束力のある規則と条項を通じて、デジタル領域で(シンガポールとEU)両者間の貿易協力がさらに拡大する」とした。

ガン貿易産業相は「シンガポールとEUは志を同じくするデジタル先進的なパートナーで、開放的でルールに基づく貿易とビジネスに優しい環境を支持するという強い約束を共有している。デジタル貿易協定は、企業や国民にデジタル領域の新たな機会を提供することにより、両者の経済・投資関係を強化する」とした。

(朝倉啓介)

(EU、シンガポール)

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