英国最大級の酒類展示会開催、サステナビリティに注目

(英国)

ロンドン発

2023年07月13日

英国最大級の酒類展示会「インバイブ・ライブ」が7月3日、4日にロンドンで開催された。レストラン関係者や卸売業者を中心に2日間で約5,400人が来場した。会場では、ジン、ラム、ウイスキー、日本酒、リキュールなどのアルコール飲料に加え、グラス、スナックなどの関連製品を含む203の企業が参加し、自社ブースにおいて試飲などを通じて製品を紹介した。併せて、飲料業界の最新トレンドに関するセミナーや、テイスティングといったラーニングプログラムも催された。

セミナーでは、サステナブルな取り組みに対する消費者意識の高まりを受け、環境・社会・ガバナンス(ESG)を強調する企業が多く見られた。会場内で行われたサステナビリティ分野のピッチコンペティションには、人工甘味料を含まず、完全天然由来成分を使用したハニーワインを製造するビーソウ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、バイオマスや太陽光発電により蒸留所を運営する818テキーラ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、環境負荷の少ない栽培が可能なテンサイを原材料に使用したスピリッツを製造するアルケミー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの3社が出場した。ピッチの結果、最優秀賞に輝いた818テキーラは、B Corp認証(注1)、FSC認証(注2)などの認証を取得していることや、企業内の女性の活躍が著しい点が評価され、受賞となった。

会場ではほかにも、食品廃棄物のアップサイクル(注3)やラムを使用したシャーベットなど、各企業の革新的なアイデアが目を引いた。

また、日本の国税庁は日本産酒類の販路拡大のため、インバイブ・ライブにジャパンパビリオンを出展した。日本酒や果実酒など日本産酒類を扱う企業9社が参画し、商談、プロモーションを実施。ジャパンパビリオンを訪問した酒類バイヤーによると、日本酒は英国国内において徐々に認知度が高まってきており、最近の傾向ではフレーバー付きの日本酒が人気だという。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(注1)環境や社会の持続可能性を考慮し、社会への説明責任を引き受ける企業に与えられる国際的な認証制度。

(注2)森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能なかたちで生産された木材に対して与えられる、国際的な認証制度。

(注3)廃棄物に新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。

(松丸晴香、永田結子)

(英国)

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