インド電子・IT相、米マイクロンによる半導体製造への展開可能性を示唆
(インド、米国)
アーメダバード発
2023年07月06日
米国の半導体大手マイクロンが6月22日に発表したインド・グジャラート(GJ)州サナンドに最大27億5,000万ドルを投資し、半導体組み立て・テスト工場を建設する案件の詳細について(2023年6月26日記事参照)、インド政府の電子・IT省(MeITY)のアシュウィニ・バイシュナウ大臣が地元メディアのインタビューに答えた(「フィナンシャル・エクスプレス」紙6月23日)。
バイシュナウ電子・IT相によると、マイクロンはまずはインドでの半導体組み立て・テスト工場を開始し、次の段階で川上分野のより高度な半導体製造事業を展開していく可能性があると話した。それが実現すれば、同社はインドで川上から川下までの半導体製造チェーンを持つことになると述べた。インド政府はインドを半導体産業の中心地とするために包括的なアプローチを取っており、同社がインド国内でウエハー製造工場を立ち上げるまでの期限は設定していないとしている。
マイクロンの事業内容について、同社は日本と中国に半導体製造工程を持っており、両国のユニットで製造されたウエハーがGJ州で半導体に加工・パッケージングされた後、世界に向けて輸出されると同大臣は説明した。最初のインド製半導体は2024年12月までに生産開始され、工場がフル稼動すれば年間10億ドル相当の生産が見込まれるという。
同大臣によると、今後1年以内にさらに6つの半導体関連事業が立ち上がる見込みと述べた。また、今後立ち上がる半導体関連事業は自社製のウエハーを加工する企業や、他国の顧客から受託加工を行う企業などが混在するビジネス構造となると説明した。さらに、政府の7,600億ルピー(1兆3,680億円、1ルピー=約1.8円)規模の半導体奨励策についても、必要ならば増額する用意があることも示唆した。
併せて、GJ州政府は6月28日、州都ガンディナガルの州庁舎で、ブペンドラ・パテル州首相の立ち会いの下、アーメダバード県サナンドでのマイクロンの半導体関連事業に関する覚書の調印式を行った。
(古川毅彦)
(インド、米国)
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