香港、5月の小売売上高は前年同月比18.4%増
(香港)
香港発
2023年07月11日
香港特別行政区政府統計処は7月3日、5月の小売売上高(速報値)を前年同月比18.4%増の344億7,300万香港ドル(約6,274億860万円、1香港ドル=約18.2円)と発表した(添付資料図参照)。6カ月連続で前年同月比プラスとなった。
同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比3.7%減の21億7,000万香港ドルで、全体の6.3%だった。
品目別にみると、増加幅が最大だったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比51.8%増の50億8,300万香港ドルだった。次に「衣類、靴および関連製品」が前年同月比35.5%増の46億3,200万香港ドルと続き、6カ月連続でプラスの伸びを示した。「食品、酒類、たばこ」(注1)は4.4%増の30億7,600万香港ドルだった。
「燃料」は13.7%減の9億400万香港ドルと、前月に引き続きマイナスだった。
業態別にみると、「百貨店」は9.9%増の35億6,800万香港ドルに増加した一方で、「スーパーマーケット」(注2)は0.2%減の43億3,100万香港ドルと、6カ月連続のマイナスとなった(添付資料表参照)。
香港政府報道官は5月の小売売上高について「観光客の来港と消費者心理が引き続き顕著に改善を促した」と指摘した。また、今後の小売売上の見通しで「インバウンド観光客が引き続き増加するだろう。また、域内消費は労働環境の改善や、電子消費券の配布、香港政府や業界による販売促進によって下支えされるだろう」と述べた。
香港政府が小売りの見通しについて楽観的な見方を示す一方、スイス・ジュネーブに本拠を置く資産運用会社Union Bancaire Privée(ユニオンバンケールプリベ)のカルロス・カサノバ・シニアエコノミストは「個人消費は、第2四半期(4~6月)は予想を上回る結果となるが、下半期は徐々に冷え込むだろう」との認識を示した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」7月4日)。
(注1)スーパーマーケット以外での売上高。
(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。
(横田覚)
(香港)
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