山東省、ハイテク産業開発区の発展推進に向けた措置を発表
(中国)
青島発
2023年07月27日
中国山東省科学技術庁は7月20日、「ハイテク産業開発区の質の高い発展推進に関する若干の措置」(以下、措置)を発表した。措置は、同省内の各市科学技術局や各ハイテク産業開発区(以下、開発区)でのイノベーション発展過程において提起された意見や提案に応じるかたちで策定された。開発区に各種イノベーションリソースをさらに集積させ、質の高い発展を推進することを目的としている。措置では、次の10項目が挙げられている。
- イノベーションプラットフォームおよびプロジェクトリソースの集積
- 産業における特色ある優位性の形成への注力
- 人材を集めるプラットフォームとしての役割の発揮
- 重点プロジェクトへの積極的な貢献
- 科学技術と教育の融合発展へのサポート
- 科学技術への金融サポートの強化
- 科学技術成果の転用と実用化の推進
- 開発区などのエリアを超えた産業連携の積極的な展開
- 開発区のレイアウトの最適化
- 開発区における一元管理実現の推進
山東省科学技術庁の解説によると、開発区は30年余りの発展を経て、山東省におけるイノベーション駆動型発展の原動力となっている。開発区土地面積の同省全体に占める割合は1.2%だが、域内総生産(GRP)では約13%を占める。また、同省の5分の1以上のハイテク企業が開発区に集積し、有効特許(注)の3分の1以上を保有している。しかし、これまで同省は開発区への強力な支援策を欠いており、先進的な他省との隔たりが広がり、イノベーションに基づく発展の発信地としての役割が薄れつつあった、との認識を示した。今回の措置は、開発区の支援策に係る不十分な部分を補うものと位置付けられている。
(注)権利の存続期間が満了せず、継続中の特許。
(赤澤陽平)
(中国)
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