広東省、水素製造・充填一体化ステーションを非化学工業園区で建設可能に

(中国)

広州発

2023年07月04日

中国の広東省住房城郷建設庁は6月28日、「広東省燃料電池自動車水素充填ステーション建設管理暫定弁法」(以下、同弁法)を発表、2023年7月1日から施行された。同弁法では、非化学工業園区での水素製造・充填(じゅうてん)一体化ステーションの建設の許可が明示された(第11条)。なお、水素製造・充填一体化ステーションの水素製造規模は最大3トン/日、水素貯蔵容器の合計容量は最大3トンを超えてはならないと規定している(第11条)。

営業用の水素充填ステーションは、原則として商業用地で建設すると定めた(第10条)。また、省・市が決定したガソリン・ガスステーションの規画や安全性の条件を満たすことを前提に、既存の土地を利用して水素充填施設を備えることを奨励しているほか、新規建設のガソリンステーションは同時に水素充填施設を計画・建設することを奨励している(第9条)。

自家用の水素充填ステーションは、法律法規や国土空間計画と安全規範の要求を満たす前提で、物流園区、露天駐車場、港埠頭、バス停留所、燃料電池自動車の運行が集中している場所かつ、自家用車両、リース車両などの特定車両に対する水素充填の用途に限り(対外的にサービスを提供しないこと)、建設が許可されている(第9条、第37条)。

上海舜華新能源系統の阮偉民チーフエンジニアは以前、非化学工業園区での水素ステーションの建設の課題について、「中国では従来、水素ガスは危険化学品に属しており、その生産、貯蔵、輸送はすべて関連法規の制限を受け、水素製造のプロジェクトは必ず化学工業園区内に設置しなければならない。非化学工業園区で水素製造を行う場合は、危険品の生産許可証が必要となるなど、非化学工業園区における水素製造・充填一体化ステーションの建設推進は難しい」と指摘していた(「中国能源報」2022年11月19日)。

なお、広東省のほか、山東省、湖北省武漢市、上海市臨港地区などの地方でも、水素製造・充填一体化ステーションの非化学工業園区での建設に向け、積極的な検討がなされている。

(汪涵芷)

(中国)

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