2023年上半期の貿易、輸出は微増も輸入が大幅減

(カンボジア)

プノンペン発

2023年07月27日

カンボジア関税消費税総局(GDCE)が7月10日に発表したデータよると、2023年上半期(1~6月)の輸出額は前年同期比0.8%増の114億6,448万ドルで、輸入額は22.9%減の122億2,918万ドルだった。

品目別にみると、カンボジアの最大の輸出品目である衣料品が36億5,441万ドル(前年同期比19.0%減)と大幅な減少になった。2位の電気機器・部品は15億8,657万ドルと2.1倍になったが、3位の革製品・かばん類は8億3,581万ドル(18.1%減)と減少した。

輸入品目では、1位の鉱物性燃料・石油類は17億3,599万ドル(前年同期比5.3%減)だった。前年は原油市況の高騰を背景に輸入額は増加したが、2023年上半期は落ち着きを見せたことで減少した。ニット・繊維関連は13億2,933万ドル(21.7%減)、合成・化学繊維類は5億5,178万ドル(15.0%減)と、縫製資材の輸入は前年同期を下回った。輸出先市場の消費低迷により、受注が落ち込んだことが背景にある。3位の電気機器・部品は7億7,710万ドル(20.3%増)だった。一方、4位の車両・部品は7億7,394万ドル(31.4%減)と減少した。

輸出入を国・地域別にみると、欧米市場向けが停滞する一方、ベトナムや中国向けの輸出は堅調だった。最大の輸出先である米国は前年同期比8.9%減の42億3,610万ドルとなった。米国向けは、特に家具や履物、プラスチック製品、木製品の輸出がそれぞれ3割以上落ち込んだ。一方、2位のベトナムは14億2,961万ドル(21.7%増)で、主に穀物の輸出が増加した。3位の中国も7億1,328万ドル(16.6%増)となり、毛皮製品や穀物の輸出が伸びを牽引した。

輸入をみると、最大の輸入相手である中国が54億4,007万ドル(前年同期比1.2%増)だった。主な対中輸入品目はニット・繊維関連製品だ。2位はベトナムで18億7,266万ドル(10.2%減)、3位はタイで14憶4,777万ドル(19.6%減)と続いた。両国ともに主な輸入品目の鉱物性燃料・石油類の価格が落ち込んだことが影響した。

(山口乗子)

(カンボジア)

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