ホンダエアクラフト、米ノースカロライナ州施設への投資と新型ビジネスジェット機の製造を発表

(米国、日本)

アトランタ発

2023年07月14日

米国ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事(民主党)は7月11日、ホンダの航空機事業の子会社であるホンダエアクラフトカンパニー(HACI)が、同州グリーンズボロ市の施設で新型ホンダジェット2600を開発・製造すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。投資額は5,570万ドルで、新たに280人が雇用され、新規雇用者の平均年収は8万8,761ドルとなる予定だ(グリーンズボロ市が所在するギルフォード郡の平均年収は5万7,190ドル)。

HACIの発表によると、新型ホンダジェット2600は、ライトジェット機(注)として世界で初めて、ノンストップでアメリカ大陸の横断を可能とし、パイロット1人での運用が想定されている。HACIは、2021年に世界最大級のビジネスジェット見本市の「ビジネス・アビエーション・コンベンション・アンド・エキジビション(NBAA-BACE))でホンダジェット2600コンセプトを参考展示し、2023年6月14日に製品化を決定していた。

クーパー知事は「HACIがノースカロライナ州で300人近い高賃金の雇用を創出することは、CNBCがビジネスを最もしやすい州としてノースカロライナ州を全米ナンバーワンに2年連続で選定した理由を示すものといえる(2023年7月14日記事参照)。同社の決定は先進製造業全体において熟練した労働力を育成することへの州の関与を表している」と述べた。また、HACIの山崎英人取締役社長は「ノースカロライナ州は、豊富な人材プールと地元コミュニティーからの多大なサポートを提供してくれる。ピードモント・トライアド国際空港に隣接するHACIの工場は、新型ライトジェットを開発・生産するのに理想的な場所だ」と述べている。

なお、本プロジェクトは、7月11日に同州経済投資委員会により承認された雇用開発投資助成金(JDIG)の支援を受ける。助成金には、グリーンズボロ市とギルフォード郡の参加が条件となるが、HACIは、グリーンズボロ市議会(7月11日夜、最高42万ドルの支給を8対0で議決)とギルフォード郡委員会(7月13日、最高71万2,820ドルの支給を議決予定)からの承認を得る前に、本投資を約束した(ウィンストン・セーラム・ジャーナル7月12日)。

(注)最大離陸重量が1万2,500ポンド(約5,670キログラム)以上、2万ポンド(約9,072キログラム)以下の双発エンジンを搭載した機体。

(吉田祥子)

(米国、日本)

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