カシューナッツの生産量、収穫年度当初の見通しを上回る

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年07月12日

コートジボワールの綿花・カシューナッツ評議会(CCA)は6月22日、2023年2月に始まったカシューナッツ収穫年度(2023年2月~2024年1月)の生産量は、天候に恵まれたことから、当初予測の105万トン(2023年2月14日記事参照)を19%上回る125万トンに達する見通しと発表した。加工量も当初予想の30万トンを上回る可能性があるという。

世界1位のカシューナッツ生産量(未加工)を誇るコートジボワールだが、加工ではベトナム、インドに次ぐ世界3位となっている。コートジボワールは2022年度に生産量の21%に当たる22万4,000トンを加工したが、2025年度までに加工率を50%に引き上げることを目標に掲げている。

このため、政府は「国家開発計画2021-2025(PND)」の重点分野として、7つの産業クラスターの育成政策を掲げている。このうち、地域経済活性化の基礎になるアグロインダストリー振興政策の一環として「カシューナッツ専用農産加工団地造成」プログラムを推進している(注)。現地報道によると、2021年5月に着工した同国北部コロゴの農産加工団地が2023年6月に完成した。総投資額は1,250万ドルで、28.7ヘクタールの敷地に7棟の加工工場、貯蔵倉庫、乾燥エリア、カシューナッツの殻の有効利用センター、廃水処理プラントを建設する予定だ。同様の造成工事は中部のブアケとセゲラでも進行している。

(注)「カシューナッツ専用農産加工団地造成」プログラムは、CCAが世界銀行の支援を受けて2018年に開始した総額2億ドルに上る「カシューナッツ・バリューチェーン競争力強化計画(PPCA)」の一環。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

ビジネス短信 9ff950975ad818d5