第1四半期のGDP成長率、前年同期比4.2%、サービス業が牽引
(ガーナ)
アクラ発
2023年07月03日
ガーナ統計局(GSS)は6月21日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前年同期比4.2%と発表した。このうち、石油とガスを除くGDP成長率は同5.5%だった。
部門別では、サービス部門が10.1%で、このうち公共サービス・防衛・社会保障(37.6%)、保健(31.6%)、教育(26.0%)、情報通信(18.9%)などが成長を牽引した。他方、卸売り・小売り・自動車・オートバイ(5.3%減)やホテル・レストラン業(0.2%減)がマイナス成長だった。また、農業部門は4.8%のプラス成長だったが、ガーナの主要輸出品目のカカオの成長率は0.7%と、前年同期の1.6%を下回った。そのほか、工業部門が3.2%減と部門別で唯一のマイナス成長となった。電力は3.5%のプラス成長だったが、上下水道・廃棄物処理・修繕サービス(6.4%減)、建設(6.0%減)、製造業(2.5%減)などがマイナス成長だった。
第1四半期の成長は公的部門が牽引しており、工業部門の鈍化が特徴だ。ガーナ大学付属のシンクタンク統計社会経済研究所(ISSER)のピーター・クオーテイ氏は、2022年末のIMFへの融資要請など経済問題の顕在化や、2023年初の公共料金の値上げなどが背景にあると指摘している。2023年2月には、水道と電気料金がそれぞれ8.3%、30.0%の値上げとなった。電気料金も5月にさらに平均18.4%の値上げが実施され、経済成長に悪影響を及ぼしているとされる。
ガーナは5月にIMF理事会から総額30億ドルの支援が正式承認(2023年5月19日記事参照)された。通貨ガーナ・セディの対ドル相場は2022年11~12月に1ドル14セディ台で推移していたが、最近は1ドル11セディ前後で推移している。また、消費者物価指数については、2022年12月の前年同期比54.1%をピークに減少傾向が続いており、5月は同42.2%だった。一方、住居費や公共料金は同54.0%と依然として高い水準が続いている。
(柴田北斗)
(ガーナ)
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