日韓の財務大臣級対話が7年ぶり開催、通貨スワップも再開

(韓国、日本)

ソウル発

2023年07月03日

鈴木俊一財務相と、韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副総理兼企画財政部長官は6月29日、東京で第8回日韓財務大臣級対話を開催した。同対話の開催は2016年以来7年ぶり。3月の日韓首脳会談に始まった一連の関係改善の動きが経済・金融部門の協力に及んだかたちとなった。

同対話では、2015年に終了した日韓通貨スワップ(注)を再開することで合意したほか、日韓相互の金融投資の活性化についても議論した。通貨スワップの融通枠は2015年に終了した際と同規模の100億ドル、期間は3年間。韓国企画財政部は「韓日関係改善で両国の信頼関係が回復し、経済・金融分野の協力関係が構築されたことで、外国為替・金融市場全般にもプラスの影響を及ぼすことが期待される」としている。

また、同対話を契機に、韓国輸出入銀行と国際協力銀行(JBIC)の間で、第三国への共同進出に関する業務協約(MOU)が締結された。両国企業が参画する第三国でのインフラ開発などの海外進出の促進に寄与することが期待される。

両国はそのほか、世界や両国の経済状況についての意見交換、2国間や多国間での協力強化策に係る議論などを行った。さらに、今後、財務当局間の意思疎通と協力をさらに強化していくことで一致するとともに、2024年に韓国で第9回日韓財務大臣級対話を開催することに合意した。

(注)自国に金融危機が起きた際に、事前に取り決めた協定に基づいて、相手国が通貨を融通することができる

(橋爪直輝)

(韓国、日本)

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